※インタビューの中には多少のネタバレを含むものもありますので、苦手な方はお気を付けください
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- 蚊取り犬
- 今回はたっての希望で、広島時代からのスタッフと一緒に耽美社長自ら登場していただきます!
- 耽美社長
- よろしくお願いします!
まずは耽美社長と一緒に登場してくださる、
長くコミコミで活躍されているお2人の入社の経緯と、
これまでされてきたお仕事について教えてください!
- もっちゃま
- はい、私は大学生の時に就活をしていたんですけど、どの仕事も何だか面白くないような気がして。ここはもうアニメが好きで、思い切って関連の仕事に就きたいと思って、広島にあった漫画とアニメ専門店だったコミコミスタジオに突撃したんです。
- いわこ
- え、あれですか?千と●尋みたいな感じで…? 「ここで働かせてください!」って?
- もっちゃま
- そうなんです(笑)。そうしたら当時の社長(耽美社長のお父様)のところへ連れて行かれまして、即OKってことで採用していただいて、そこからはバラ色の日々でした。大好きなアニメと漫画に囲まれて…宇宙●艦ヤ●トとか、マク●スとか、エヴ●ンゲリオンとか、ちょうどその時流行っていた作品の販売に携わることができて幸せいっぱいでした。
- 耽美社長
- 私が初めてもっちゃまに会ったのもその頃で、私がまだ入社して間もない頃に広島の実店舗のアニメ店(コミコミスタジオブランドの最初のお店)の事務所に挨拶に行ったら、CDやグッズ担当だったもっちゃまが、声優さんのイベントの準備をしていたのをすごく覚えてる。
- もっちゃま
- その後は色んな担当を経て、広島の店舗の店長になりました。
- 耽美社長
- もっちゃまが店長だった頃は、私が中央書店全体の営業部長としていつも利益出せとかデッドストックを解消しろって文句を言ってたから、すごく嫌われていたと思う…(笑)
- もっちゃま
- あはは(笑)でも今はとても感謝しております。
- 耽美社長
- 難局を乗り越えていくうちに、もっちゃまが仕事をする上で1番信頼できる存在になった時期も訪れたんよね。
- もっちゃま
- コミコミスタジオがコミック専門店からBL専門店に変遷していって、東京の町田でスタートしたカフェも併設しているお店でも店長を務めさせていただきました。コラボカフェのギャラリーのレイアウトを考えたり、色んな事をさせていただいて、今は企画2部 で「シャルムガット」というレーベルのドラマCD制作のお仕事をしています。
▲町田店の様子
- 耽美社長
- 彼女のコミコミスタジオへの愛がすごいから、我々もそれに引っ張られてきたと思う。お店の売上が厳しかった時代でも、もっちゃまのブランドを残したいっていう思いが伝わってきたので、すごく私に影響を与えてくれたなぁ、と。
- もっちゃま
- そんな思いを抱いていただいていたとは…感激しております。
- 耽美社長
- いわこさんは、広島時代に始めた通販事業のアルバイト1期生として大学生の時に入ってきたんよね。
- いわこ
- アルバイト先を探そうと思って求人誌を見てたら、いつも行ってる中央書店の求人があって、ネット通販始めますって書いてあって。店頭に立つのは嫌だったので、ネット通販ならレジで接客しなくていいからめっちゃいいじゃんと思って応募したんです。面接は当時耽美店長だった耽美社長が担当で、ガチガチに緊張しながら面接を受けたのを覚えてます。最初は注文が入った商品の梱包なんかをしてましたね。
- 耽美社長
- 狭いところで柱に向かって立って仕事してたよね(笑)
- いわこ
- 店舗の裏に作った通販スペースで、手作業で発送通知の送信までやってましたね~。
▲広島時代の発送現場の様子
- 耽美社長
- 最初は会社に反対されていた状態で始まった通販事業だったから、結果を出すまではなかなか大変だったね。コミコミ通販はサークル活動みたいなものだったんだよね。
- 蚊取り犬
- 今の板橋にある、設備の充実した物流センターができるまでの過程を考えると感慨深いですね…!
- いわこ
- 私はその後、就活のタイミングでそのまま社員にならないかと誘っていただいて就職して、同人誌やゲームやコミックスの担当をした後、今の企画1部がやっているような特典開発の仕事をするようになりました。
- 耽美社長
- 私といわこさんの関係性が出来上がってきたのはその辺りからかな。BL業界の横の繋がりを築くようなイベントをしたり、一緒に出版社さんにお伺いしたり、色んなことをしていたよね。
- いわこ
- そして今はさらに新しいことを始めるための部署「特命企画部」で色んな企画を進行中です!
- もっちゃま
- いいな~。「特命企画」ってなんだかカッコいいですよね!
- 蚊取り犬
- 皆さんありがとうございます!ではそんな皆さんに2023年最高だったBLをプレゼンしていただきたいと思います!
『ピットスポルム 三葉』ベテラン社員によるおすすめの3つのポイントとは!?
- いわこ
- はい、私が2023年最高だったと思うBLは『ピットスポルム 三葉』です。
全寮制の学校に通う男の子たちの話で、1~2巻は馴れ初めで、3巻目からやっとお付き合い編という感じです。
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- 蚊取り犬
- 私も1、2巻は読んでおります!攻めの小田島くんがなかなか拗らせた色男で、2人が結ばれるまでは本当に色々ありましたよね…。
- いわこ
- そうなんですよ。3巻は、受けの矢野くんの実家へ行く話です。矢野くんの実家は仲良しな家族なんだけど、兄弟が多くてそんなに裕福なわけじゃなくて、矢野くんは長男だからどっかの炭●郎みたいな感じで頑張ってるんですよね。そんな中、小田島くんがもう新幹線のチケットを買ってて、一緒に青森の実家に帰るわけなんです。
- 蚊取り犬
- 3巻の見どころはどこですか?
- いわこ
- 3つあって、1つ目は矢野くんが初めて自分から小田島くんにキスするシーンですね。
- もっちゃま
- あのシーン、とってもキュンキュンしますよね~!
- いわこ
- 2つ目は、初めて名前呼びをするシーンです。今まで名字でしか呼んでなかった2人が、景色のいい蛍が飛び交う川辺で呼び合うんですよ。 すっごい恥ずかしがって呼び合うんだけどめっちゃいいじゃんと思って…。
- 蚊取り犬
- 名字呼びから始まるカップルって、そこでもだもだするの最高に可愛いですよね!!
- いわこ
- 3つ目は、最後の最後に小田島がある決意をするところです。そこがもう…めっちゃいいところなんですが…話しちゃうとお客様のお楽しみがなくなっちゃうんで(笑)
- 蚊取り犬
- さすが、お客様の気持ちを分かってらっしゃる!
- いわこ
- お客様にはぜひご購入いただいて、どんな決意なのか確かめていただきたいですね!あと、コミックスに載ってる描き下ろしは絶対に見てほしいです。本編では3巻はエロシーン少な目だったんですが、描き下ろしで先生が締めてくださったなってありがたく読ませていただきました。
- 耽美社長
- この作品はもっちゃまがいる企画2部でCD化してたよね?
- もっちゃま
- そうなんです!メインのお2人が漫画から飛び出してきたくらいぴったりなお声で、魅力的なCDになりました。小田島役の坂田将吾さんはBLCD初メインということだったんですが、それが信じられないくらいの演技力で素晴らしかったです。
(★そんなドラマCDの試聴はこちらから)
- 蚊取り犬
- ありがとうございます!では続いてもっちゃまさん、ご紹介お願いします!
心が星空のように澄み切る…感動BLをドラマCD化!
- もっちゃま
- はい、私が紹介するのは『星空を見つめたそのあとで』の2巻です。
この作品はヒューマンドラマというか心が洗われる作品ですね。主人公たちも取り囲む仲間も家族も、本当に素敵な人ばかりなんですよね。読むだけで 心が星空のように澄み切るんです。心が疲れた時におすすめですね。
- 耽美社長
- 素晴らしいね。この作品は読めていないんだけど、どんなお話なの?
- もっちゃま
- 車いすの生活を送っているデザイナーのすばるくんと、健常者でフォトグラファーの冬吾くんが出会って惹かれ合うというお話です。冬吾くんのすばるくんへの接し方が、やることなすこと全て素敵なんです。
- 蚊取り犬
- 2023年発売の2巻はどんな内容なんでしょうか?
- もっちゃま
- 1巻でようやくすばるくんが自分の気持ちに素直になって、2人がカップルになるんですけれども、2巻でも特に大きな事件が起こるわけではなくて。すばるくんのご両親に冬吾くんが挨拶に行って、そこから旅行に行くんですね。
- いわこ
- 先ほどに引き続き、受けのご両親への挨拶は真剣なお付き合いには欠かせないイベントなのね。
- もっちゃま
- その旅行の中で、車いす生活を送るすばるくんを子供に持つお母さんのこれまでの苦悩も描かれているんです。そんな中、家族旅行に行くことで全てが癒されて、すばるくん自身の心のとげも星空の下で溶かされていくんです。
- 蚊取り犬
- 素敵ですね。特に心に残ったセリフなどありますか?
- もっちゃま
- 冬吾くんに「流れ星に願い事をしたことがあるか?」と聞かれたすばるくんが、最初は「そんな子供じみたことしたことない」って言うんですけど、最終的に「本当は少しだけでも歩いてみたいって何百回も願ったけど、叶わなかったからもう願わないんだ 」て言うんです。でもその後に「でももう歩けなくても、こんなに幸せだからその願いは叶わなくてもよくなった」と言って、冬吾さんとずっとずっと一緒にいたいという思いが大きくなったと告げるシーンで感動しすぎて、昨日読み返してまた泣いてしまいました。
- いわこ
- それは泣ける…!
- もっちゃま
- 読後感もいいし、スパダリの冬吾くんが数々のサプライズを用意していて素敵なので、そこにも注目です!
- 蚊取り犬
- 今回1巻がドラマCD化ということですが、こちらはどんなCDに仕上がっていますか?
- もっちゃま
- 音楽もオリジナルで作っていただいて、すごく素敵な楽曲ですし、声優さんたちのお芝居も含めて最初から最後まで気分よく聞けるCDになっているかと思います。GETしていただいた方にはぜひ、鬼リピートしていただきたいです!
(★そんなドラマCDの試聴はこちらから)
- 耽美社長
- 特にここを聴いてほしい、みたいな場面は?
- もっちゃま
- はい、ラストの方で冬吾くんの個展にすばるくんが行くシーンで、後ろから最初は電話で話してるんですが、冬吾くんがすばるくんに近づいていくにつれて、 電話越しの声から本物の声へと重なっていくというシーンがあるんです。そこの演出がすごくいいなと思っております。
- いわこ
- 私はドラマCDのコミコミスペシャルセットとコミコミ限定セットBについてくるアクリルスタンドがとにかくお気に入りです!
- もっちゃま
- 先生のSNSに掲載されていた絵を選ばせていただいてグッズに、とお願いをしたら、先生からご厚意でグッズ用にブラッシュアップしていただいたんです。
受注生産のイラストフレームは、コミックスの中でも屈指の感動シーンを漫画ではモノクロなんですけど、先生に彩色していただいて……(震え声)。
- いわこ
- 言いながら泣いてない?大丈夫!?
- もっちゃま
- はい…このグッズにしかないカラーバージョンなので、ぜひお手元にお迎えいただきたいです…。
- 蚊取り犬
- 皆さん、コミコミでしか手に入らない素敵なグッズをぜひ手に入れてください!もっちゃまさん、ありがとうございます!では最後に耽美社長からもおすすめ作品をお願いします!
コミコミ社長が選ぶ、人を思う気持ちをまっすぐに描いた家族BL!
- 耽美社長
- 私が選んだのは『嫌いでいさせて』の5巻です。
まだ幼い娘を育てるシングルマザーの雫斗(Ω)と、その番の葉月(α)のお話ですね。実はこの作品を初めて読むまでは、オメガバースがどんなものかちゃんと知らなかったんだけど、オメガバースって面白いね!
- いわこ
- オメガバース作品は自分の思いと性の葛藤がある作品が多いですから、ドラマが生まれますよね。
- 耽美社長
- オメガバースの世界ってオメガの人にとってはすごく生きにくい特殊な環境だと思うんだけど、色んな偏見の中でも 当事者がまっすぐ本質的に人を大切に思う気持ちを表現してくれていて、この『嫌いでいさせて』という作品は本当に素晴らしいと思っております。
- 蚊取り犬
- 2023年に発売されたのは5巻ですが、最初の頃から登場人物もずいぶん増えましたよね。
- 耽美社長
- 色んな人が出てくるけど皆さんすごくピュアでいい人なんよね。この年齢でこんなに人間出来てないだろうって思うくらい人ができていて、生きることにまっすぐな芯のある生き方をしている登場人物ばかりだった。
- 蚊取り犬
- 5巻の見どころはどこですか?
- 耽美社長
- やっぱりお嬢ちゃんのしずくちゃんが成長してだいぶ大人になってるよね。しずくちゃんが学校でΩの友達と関わっていく話が中心になっているんだけど、そこでも親の教えやしずくちゃんの対応に人柄が出ていて感動しました。
- もっちゃま
- 5巻の中で家族の変遷が描かれていて、素敵ですよね。あとは子供が出てくる作品って癒されますよね。
- いわこ
- やっぱり愛し合ってる2人に子供が生まれるっていうのがオメガバースの一番の醍醐味ですよね。オメガバース作品が出てきて、すごくBLの幅も広がった気がする。
- 耽美社長
- シリーズを通して言うと、雫斗がトラウマからαっていうものを避けていたところから、葉月という一人の人間と関わる中で、しっかりと向き合って受け入れて家族になっていくのを臨場感をもって見守ることができましたね。オメガバースというファンタジーな世界観だからこそ、俯瞰して見られる部分もあるし、 俯瞰して読めるのがBLのいいところだと思うので、これからも色んな作品を読んでみたいなと思っております。
- 蚊取り犬
- 皆さん、ありがとうございました!では最後にお客様へのメッセージをお願いいたします!
- もっちゃま
- コミコミスタジオはスタッフ全員で、お客様に幸せと笑顔を届けたいと思って頑張ってるので、その思いが伝わるといいなといつも思っています。シャルムガットのシリーズも20作目が発売になったばかりで、この後も続々リリース予定がありますので、ぜひお手に取って聴いていただけたら幸いです。
★シャルムガット公式HPはこちら!
- いわこ
- コミコミスタジオの通販事業は2022年に20周年を迎えましたが、これからもまだまだ面白いことをたくさんやっていこうと思っておりますので、引き続きチェックしていただければと思います。新しいプロジェクトも楽しみにしていてください!
- 耽美社長
- この20年、お客様に連れてきていただいたコミコミスタジオだと思います。この感謝の気持ちをこれからのコミコミスタジオの成長でお返し出来るように、またBLというジャンルに対しての恩返しができるように、これからもコミコミが必要とされ続けることを目指して、メンバー一同頑張っていきたいと思っております。
コミコミスタジオ発ドラマCDレーベル「シャルムガット」の企画から製造までを担当しています。ドラマCDの制作だけでなく、ドラマCD発売記念グッズの監修やフェアの企画に至るまで、ドラマCDに関わる全ての業務を担当しています。
コミコミスタジオを通じてBLをもっと楽しんでいただける、新しい企画を進行中です!
▲広島時代の耽美社長(サンモールのキャラクターと)