『月の影と竜の花』発売記念 おにぎり1000米先生インタビューページ

帯入れ込みイメージ

インタビュー

新作『月の影と竜の花』は、「ビーボーイ創作BL大賞」の受賞作ですが、どのようなきっかけでコンテストに応募されたのでしょうか?

コンテストのことはSNSに開催のお知らせが流れてきたので知りました。投稿サイトで小説を書いていると膨大な数の作品の中に埋もれてしまうので、コンテストに参加することで読んでくださる方が増えればいいと思って応募しました。

コンテストに応募するにあたり、苦労されたことや楽しかったこと、印象的だったエピソードがあればお聞かせください.

獣人が登場する異世界ファンタジーを書くのが初めてだったので、どんな風に書いたらいいのか、わりと基本的なところから迷いました。ストーリーの展開上、長さのわりに濡れ場の回数も多かったので、ワンパターンになっていないかなどを気にしていました。

受賞の連絡を受け取ったときはどのようなお気持ちでしたか?

驚いてまさかと思ってしまい、三度くらい見直しました。途中選考に残ったときは素直に嬉しかったのですが、大賞を受賞するとはまったく思っていなかったので、何かの間違いなのではと思ったりしました。

新作『月の影と竜の花』は、どんな物語でしょうか?

月には竜人と天人という翼を持つ二種族が、地上には獣や鳥に変身する八種族が棲んでいる世界で、月に憧れる狼族の若者と、彼に一目ぼれした竜人の指揮官のラブストーリーです。
月の二種族は「月水晶」という鉱物を基盤にした高度な文明を持っていて、狼や熊、鴉、鷲といった地上の種族に力を貸しています。主人公の伽羅は狼族の兵士で、子供のころ一度だけ会った天人の月白にほのかな恋心を抱いていました。しかし狼軍のトップから、同盟者である竜人の指揮官、竜胆の〈花〉になれと命令が来ます。
実は〈花〉という役割は、地上に来た月の種族の、ある「タイムリミット」を克服するために必要なのですが、伽羅は何も知らないまま竜胆のもとへ行き、竜人と天人、竜胆と月白のあいだの確執に巻き込まれながら、本物の愛を知っていきます。

新作のタイトルは、どのようにお決めになりましたか? また、タイトルに込めた思いがおありでしたらお聞かせください。

伽羅が竜人の〈花〉になることが物語の中心なので、この要素をタイトルに入れようと考えて「竜の花」をまず決めました。さらに月と地上という二つの場所の対比が物語の中で重要になるので、そのイメージに合う言葉を探して「月の影」を前につけました。

創作に入られる際、タイトルとプロットは、どちらを先にお決めになりますか?

プロットのあらましを決めてからタイトルを考えます。

今作の読みどころやお好きなシーンのご紹介をお願いします。

伽羅は最初、軍に命じられた役目として竜胆のもとに行きますが、竜胆の真剣な態度にどんどん気持ちが傾いていきます。いったん好きと思ったら諦めない伽羅と、何があってもぶれない竜胆の溺愛ぶりを味わってもらえると嬉しいです。
また今回の単行本化にあたっては大幅な改稿と加筆があり、後半に新しい展開も追加しました。受賞作にはないクライマックスシーンが終盤に追加されているので、ここも楽しんでほしいと思っています。

主要なキャラクターの誕生秘話やキャラ設定への思い入れなどをお聞かせください。
名前の由来なども、お聞かせいただけますと嬉しいです。

狼族のキャラクターの名前は色名(日本の伝統色)から拝借しました。主人公の伽羅は、ある本で読んだ「月に憧れる狼」の伝説から思いついたキャラクターですが、名前は外見のイメージではなく、きゃら、という音と、字面の綺麗な雰囲気からつけました。竜人の名前は植物の名称からとっていますが、攻めの竜胆の名付けも、文字と音の印象が強くて大胆な感じだから、という理由です。

メインキャラクターは、どんな二人(攻めと受け)ですか?

受けの伽羅は、いつか月に行けないかと思って月の種族の言葉を勉強するような、素直で真面目な狼の若者です。綺麗な外見をしていますが、狼族の中ではごく普通の存在です。ただ、自分では気づいていないような大胆な側面もあります。
一方攻めの竜胆は竜人の王族の傍系で、月の種族の支配階級の一員です。かっこよくて優秀で決断力のある人ですが、考えすぎたり、相手を思いやりすぎて判断を間違えたりするタイプです。

お気に入りのキャラクターや描き(動かし)やすい、または思い通りにならないなど、キャラクターで違いがありますか?

伽羅のようなタイプのキャラクターはあまり書いたことがなかったのもあって、特に竜胆に惹かれていく内面の描写が難しいと感じていました。その点竜胆は伽羅に一目ぼれなのでわかりやすかったです。

BLで萌えるシチュエーションやキャラクター設定を教えていただけますか?

今作は違いますが、どちらかといえば年下攻めが好きです。加えて、攻めは初恋であってほしい派です。

作品を書かれる上で大切にされていることや心がけておられること、意識しておられることはありますか?

ファンタジーの世界をうまく伝えられるような描写をしたいと思っています。加えて、読者さんの気持ちを引き出して前のめりに読んでもらえるようなお話を書きたいと思っています。

今後の作品でチャレンジしたいテーマやモチーフはありますか?

ファンタジー世界としては、中華・和風や後宮ものはチャレンジしてみたいです。また前世で因縁のあったケンカップルや、魔物×精霊使いのような、異種族と能力者のカップルを書いてみたい。
オメガバースならすれ違いコメディのような、コミカルなお話もやってみたいと思っています。

単行本化へのお気持ちや意気込みがあればお聞かせください。

受賞作は7万5千字弱だったのですが、単行本は書き下ろし短編も含めて14万字以上となり、倍近くに増量されています。編集さんのアドバイスを入れた改稿加筆作業がとても充実していたので、受賞作を読んだ方にも、新しい気持ちで楽しんでもらえると思います。

読者様にメッセージをお願いします。

ここまで読んでくださってありがとうございます。本作は地上の狼に一目ぼれした月の竜人の嫁とり物語です。本を手に取っていただいたみなさまに、読んでいるあいだ、楽しく充実した時間をすごしてもらえるよう願っています。

月の影と竜の花

著:おにぎり1000米
イラスト:ASH

リブレ

発売日:2023年11月17日

STORY

第1回ビーボーイ創作BL大賞、大賞受賞作★

月には翼をもつ竜人と天人が棲み、地上には獣や鳥に変身する八種族が棲む世界――。

狼族で兵士の伽羅は、竜人の指揮官・竜胆に見初められる形で「花」という役職に就くことに。「花」とは竜人が七度以上交わることにより、地上に長期滞在できるようになるための「番」相手であった。そんな役目に最初は驚きとまどっていた伽羅だが、優秀な指揮官である竜胆の優しさや強さに触れ、惹かれていく。交わるたびに胸に咲く花びらのような痣が増えるなか、竜胆の宿敵で伽羅にとっても縁のある天人の月白と再会し…。

特典情報

コミコミ特典SSペーパー

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※特典はなくなり次第終了となります。
※商品ページに記載がある特典はお付けします。

©️おにぎり1000米・ASH/リブレ

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