『賢者と寵愛の翼』発売記念 榎田尤利先生インタビューページ

賢者と寵愛の翼

インタビュー

新作のタイトルは、どのようにお決めになりましたか?
また、タイトルに込めた思いがおありでしたらお聞かせください。

タイトルはなかなか決まらなくて困りました。候補をいくつか出し、編集さんと話し合って『賢者と寵愛の翼』となりました。「翼」は作中に出てくる翼竜のことであり、また、賢者の愛するルドゥラのことでもあります。

創作に入られる際、タイトルとプロットは、どちらを先にお決めになりますか?

圧倒的にプロットが先です。ごく稀に最初からタイトルが浮かんでいることもあります。

新作『賢者と寵愛の翼』は、どんな物語でしょうか?
シリーズ続編ということで、その辺りもチラリご紹介お願いします!

アカーシャという架空の地で生きる人々の物語です。西洋文化と東洋文化、また人種的にもかなり混ざり合っている世界で、翼竜、巨大な猫など不思議な生物も存在しています。その地で最も地位の高い賢者・ユーエンは長い間愛を忘れたまま生きてきましたが、岩山の若長であるルドゥラを知ることで、愛や慈しみを取り戻します。本作では、賢者はルドゥラの暮らす岩山を訪れ、「半身(アルダ)」と呼ばれる伴侶として認められるために、試練を受けることになります。

今作の読みどころやお好きなシーンのご紹介をお願いします。

賢者・ユーエンは岩山という完全にアウェイな場所で、色々な意味で無茶な試練を受けるわけですが、彼がそれらをどう乗り越えるのかをお楽しみいただきたいです。もちろん、すっかりラブラブになったユーエンとルドゥラのいちゃつきぶりもご堪能ください。さらに、今回は明晰と秩序のふたりにも、大きな変化が訪れます……!

メインカップルのご紹介と彼らを描く上で、大切にされたことや、こだわられたことがありますか?

賢者×若長となっておりまして、賢者の本名はユーエン・ファルコナーといいます。ユーエンは「悠遠」からきています。長身で長寿という特徴を持ち、大変理性的なキャラクターです。そして私は攻めのロンゲが好きなので、銀髪をなびかせております。ルドゥラの名前はサンスクリット語をベースにしており「暴れ風」という意味です。ユーエンの理性を粉々にしてしまった彼は、戦に長けた若長であり、自由闊達な性格で、でも性的には奥手なのです。キスもしたことなかったんですよー!

各キャラクターの個性も読みどころの一つだと思います。
彼らのスタイルに、テーマやこだわりがありましたら、教えてください。
(服装・持ち物・ヘアスタイルなど)

賢者のような聖職者(ソモン)は、僧衣に似たものを着ています。作中でクェサと呼ばれているのは、つまり「袈裟」です。容貌は西洋的な人たちが、東洋的な衣装を着ているという世界にしてみました。ソモンたちは階級がきっちり決まっているので、それぞれの階位を現す意匠を身につけています。たとえば、明晰だと植物のシダになります。一方、労働階級のジュノたちは中世ヨーロッパに近い服装です。全体的に東洋と西洋のミックス感を出したかったのです。

お気に入りのキャラクターや描き(動かし)やすい、または思い通りにならないなど、キャラクターで違いがありますか?

今回はみんなよく動いてくれます!特に書きやすいのは明晰です。あけすけで多弁な人で、セリフが自然に浮かんできます。

聖職者がメインキャラとして出てきますが、
キャラクターや世界観を設定する際に、ここが好き!ここは外せない!など特に意識されていることはありますか?

細かい設定を積み上げることで、全体的な世界観を創り上げたいというのが基本です。と同時に、あまり世界観の説明ばかりになってもつまらないので、自然に物語の中に溶け込ませたいなと精進しています。あと、翼竜とモフモフは外せません。どうしても外せません……っ。

癒しのアイテムや気分転換の方法、またハマっていることなどがおありですか?

最近は腸腰筋ストレッチをよくしていますよ!

BLで萌えるシチュエーションやキャラクター設定を教えていただけますか?

守備範囲広めなので、わりとなんでも美味しくいただけます。自分で書きがちなのは「世話焼き攻め」「執着攻め」「攻めより強い受け」あたりでしょうか……。

作品を書かれる上で大切にされていることや心がけておられること、意識しておられることはありますか?

読者様の感情を揺さぶることです。ドキドキ、ワクワク、キュンキュンしていただきたいです。

読者様にメッセージをお願いします。

いつもご愛読ありがとうございます。 翼竜とモフモフのアカーシャへようこそ! 前作が未読の方は、ぜひ『賢者とマドレーヌ』からお読みいただけると嬉しいです。ユーエンとルドゥラはだいぶイチャイチャなカップルとなりましたが、平穏なままでいられるはずもなく……けれどその苦難が結びつきをますます強めるのだと思います。明晰と秩序の関係にも変化が現れ、書きながら「あらあら、まあまあ……」みたいになった著者でした。どうぞみなさま、日常のしんどいあれこれから離れて、ファンタジーの世界にダイブしてください。アカーシャで英気を養っていただければ、著者としてとても幸せです。

賢者と寵愛の翼

榎田尤利
ill.文善やよひ

リブレ

発売日:2023年10月19日

書影

STORY

アルダの意味は、半分、だ。 俺たちはずっと昔はひとつだった――。

運命の相手として結ばれた賢者とルドゥラ。賢者はルドゥラの氏族に認めてもらうため岩山へと赴き、アルダとしての試練を受ける。だがその最中、崖から深い森へ落下し行方不明に…。一方、明晰と秩序は賢者の命により、旅に出ていた。もともと水と油のふたり、さらに旅路には困難が待ち受け…。翼竜翔る世界、至高の愛が輝く!

特典情報

無償特典

コミコミ特典イラストカード

商品ページはこちら

※特典はなくなり次第終了となります。
※商品ページに記載がある特典はお付けします。

©️榎田尤利・文善やよひ/リブレ

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