『はなれがたいけもの 心を許す』発売記念 八十庭たづ先生インタビュー

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インタビュー

新刊『はなれがたいけもの 心を許す』は、どんな物語でしょうか?シリーズ続編でしたら、その辺りもチラリご紹介お願いします!

今作は『はなれがたいけもの』『はなれがたいけもの 恋を知る』に続くシリーズ3作目となります。
狼の獣人×人間のファンタジーです。
1作目で愛を、2作目で恋を知ったディリヤが、心を許すということについて知る話です。
ユドハという愛する男と愛しい子供たち。家族とともに過ごす小さな世界だけ守れれば充分だと思っていたディリヤが、
新たな人物との出会いを経て、ユドハをさらに強く愛するために自分と向き合い、家族以外の他者と向き合い、成長していきます。
その成長には、ユドハと子供たちの愛が大きな支えとなります。

新作『はなれがたいけもの 心を許す』は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか?

ありがたいことに前作に好評を頂戴しました。
続きものとして、この『はなれがたいけもの』の世界をもうすこし広げるならばディリヤとユドハのことを深掘りしたいと考えて作り始めました。
深掘りしすぎてたくさん書きすぎて、担当さんと一緒に「エピソードを一つ減らしましょう」という結論に至り、すごい大量に文章を削りました。
しかしながら、削ったおかげで素敵なかたちに仕上がったと思います。

創作に入られる際、タイトルとプロットは、どちらを先にお決めになりますか?

頭のなかでふんわりプロットを考えてタイトル候補を3つくらい挙げ、
それに準じたプロットを1本書き起こし、プロットが出来上がった段階でタイトル候補から1つ選びます。
ですので、タイトルとプロットはほぼ同時に決まります。

新作のタイトルは、どのようにお決めになりましたか? また、タイトルに込めた思いがおありでしたらお聞かせください。

他人を必要とせず、自分だけを信じて生き抜いてきた男が他人に心を許すというのはどんな心境で、どんな気持ちで、どれほど勇気がいることだろう。
でも、きっと、ユドハという愛する人がいるディリヤは、自分以外を信じて心を許し、もっと強くなっていくんだろう。
……というところを描きたく、このタイトルとなりました。

メインカップルのご紹介と彼らを描く上で、大切にされたことや、こだわられたことがありますか?

受はディリヤ。人間。アスリフ族という少数民族出身の元兵士です。
性格は、男前で理性的、責任感が強く、他人を頼るのが苦手で、愛情表現が下手でユドハのことが好きすぎて真顔で「好き」と「愛してる」を連発します。
攻はユドハ。金狼族という狼の獣人。人間のディリヤをつがいにするのと引き換えに終生国王代理の立場です。
性格は、誠実で思いやり深く、家族意識、縄張り意識が強く、家庭を大事にします。ディリヤに一途で執着は人一倍、自分の縄張りでディリヤが腹を出して昼寝する姿を見て幸せを感じる男です。
二人を書く時は「彼らは愛が行動理念」と自分に言い聞かせて書いています。
また、二人は十代の頃に恋愛ができない境遇にあったので、いま現在遅れてきた春を謳歌し、淡く青い恋を恥ずかしげもなく満喫しています。
初々しさや若々しさ、恋や愛にひたむきに生きる彼らを大切にしています、

主要なキャラクターの誕生秘話やキャラ設定への思い入れなどをお聞かせください。特に「アシュ」について、お聞かせいただけますでしょうか。(名前の由来なども、お聞かせいただけますと嬉しいです)

アシュはディリヤとユドハの息子です。
最近、ララとジジという双子の弟ができて、おにいちゃんになりました。
アシュは短い名前ですが、長い名前も持っています。
アシュだけだと金狼族風で、長い名前はアスリフ族風です。
アシュ、だけだと「食う」という意味です。「食べるのに困らないように」とディリヤがこの名前にしました。
長い名前は、名付けた親だけが知るもので、将来成長したアシュが添い遂げると決めたつがいだけに教えます。
ララとジジにも長い名前があります。
アシュは『はなれがたいけもの』の世界で一番自由な生き物であるよう心がけています。
アシュがいてこそ『はなれがたいけもの』の話は成り立ちます。

新作の読みどころやお好きなシーンを教えてください。

ディリヤ、ユドハ、アシュ、それぞれに見せ場があります。
ディリヤは船に飛び乗ったり可愛いかったりユドハと共闘したり、
ユドハは包容力抜群だったりディリヤの踏み台になったり褐色の美青年と決闘したり、
アシュは泣いたり笑ったりお船に乗ったり真夜中の冒険をしたり大忙しです。

物語が進むにつれて、登場人物たちの関係性やそれぞれの性格も、変化や成長が感じられます。八十庭たづ先生の中で、巻を重ねるうちにキャラクターやプロットに変化や発見がありましたか?また、作品を書かれる上で大切にされていることや心がけておられること、意識しておられることはありますか?

当初、2巻『恋を知る』を出す段になり、一足飛びに未来の話(アシュが十代半ばまで成長後)を書こうと考えたのですが、それは違うな、と担当さんと話していて思い至りました。
ディリヤとユドハ。この二人はもうこれ以上愛の深めようがないだろう……というくらいに愛し合っているのですが、もっとお互いを好きになり、恋しく思い、愛が積み重なっていきます。
今は、その小さな積み重ねや、二人で上っていく階段、歩んでいく一歩、二人の人生を丁寧に描いていくことを理想としています。

執筆中のエピソードや裏話などはございますか?

2つあります。
1つ目は、前述したように『心を許す』の初稿で頑張ってたくさん文字を書いて、その後、エピソードひとつ分の文字をごっそり削ったので担当さんに「たくさん削るのは心にクるものがありました」と報告したら慰めていただいたことです。
そのおかげで今後の書き方についての指針や目標もできました。
いつものことですが、担当さんにすごく支えられてできた1冊だと思います。
2つ目は、佐々木先生です。
私は佐々木先生の絵が大好きで、「佐々木先生の筆致で表現していただくこういうキャラが見たい」と想像しながら毎回キャラクターを作っていきます。
そして、佐々木先生はいつも私の想像を上回る素晴らしいキャラクターを生み出してくださります。
佐々木先生の細かな描写はとても胸に訴えかけてくるものがあり、刺激を受けます。
今回、ユドハとディリヤが裸足で寛いでいるイラストがあるのですが、
それを拝見した時は、ぶわっといろんな想像が広がりお話が浮かびました。
自分の想像の及ばない範囲のディリヤとユドハを佐々木先生に教えていただいています。

気分転換やリフレッシュの方法、癒しのアイテムなど、教えてください。

ひたすら寝ます。ただただひたすら寝るだけなので、寝る時のオススメの癒しアイテムがありましたら是非教えていただきたいです。

今後の作品でチャレンジしたいテーマやモチーフはありますか?

書きたい話がいくつかあります。
獣人が出てくる話やファンタジー以外にも挑戦したいと思っています。
中華ファンタジーで気の強い受の話と近代日本が舞台の痴情のもつれがこんがらがったお話が書きたいです。

読者様にメッセージをお願いします。

こんにちは、八十庭たづです。
応援してくださる読者様のおかげで、『はなれがたいけもの 心を許す』刊行に至りました。
読んでくださる方、面白かったよと感想をくださる方、紙と電子の両方をそろえてくださった方、いろんな方に支えられての3巻目です。
『心を許す』発売とともにフェアなどにも参加させていただき、様々な経験を積ませていただいています。
こんなにありがたいことはなく、本当にありがとうございますと何度お礼を重ねても足りません。
いまは、こうして無事に『心を許す』をお届けできることに胸を撫で下ろしています。
ユドハをはじめ、いろんな人と交わっていくなかで変わっていくディリヤの生き方、そのキラキラとした欠片をお楽しみいただければ幸いです。
そして、どうか今後とも『はなれがたいけもの』を長く応援していただけましたらこれほど嬉しいことはありません。

はなれがたいけもの 心を許す

八十庭たづ(イラスト: 佐々木久美子)

リブレ

発売日:2021年02月19日

書影

STORY

金狼族のつがいユドハに愛され、
可愛い息子アシュたちと平和な毎日を過ごすディリヤ。

だが、ユドハが父のように慕う老師と亡命中のお姫様キリーシャが攫われる。
家族は力を合わせて、二人を救うために動き出し…!
ユドハとディリヤの結婚式も収録!

特典情報

コミコミ特典八十庭たづ先生書き下ろしペーパー

コミコミ特典ペーパー

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©️八十庭たづ・佐々木久美子/リブレ

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