苗字は友人たちにアンケートを取って決めてもらい、名前のほうは私の大好きな某車メーカーからです。

先天性獣化症により狼の姿で生まれた大学生の祭が、人とは違うことに悩みつつも、家庭教師のバイトを通して知り合った引きこもりの少年、哲平と心を通わせ、一緒にゆっくり成長していく物語です。哲平のほうにもいろいろと葛藤があり、祭と出会ったことにより少しずつ世界が拓けていくのですが、ありふれた日常を送るふたりを覗き見るような気持ちで読んでいただければと思います。

私自身、もともと重度のケモナーなので、獣人をメインにしたお話を書きたいと思っていました。（耳や尻尾だけではなく完全な獣の姿です！！ここ大事です。）
現代社会に獣人がいるとしたらどんな設定にしたらいいだろう、という現実との擦り合わせから始まり、今回の“先天性獣化症”という設定に辿り着きました。そこからは自然とキャラクターが生まれ、彼らの生きる上での悩みについて触れられたらな、と思い、今作が生まれました。

プロットが先ですね。物語の大筋を決めてから、もしくは書き切ってからタイトルをつけることが多いです。タイトルをつけるのが本当に苦手で、毎回友人に「何かいい感じのタイトル案はないか」と縋っています。最終的に決めるのは自分ですが（笑）

今作は『ギフテッド』というのが最初の案でした。タイトルはいつもどおり後で決めたので、話の中に出てくる単語でかっこよさげでいい感じのものは……と探した結果です。
ギフテッドという言葉は本来、ずば抜けた才能を持つ人のことを指しますが、今作では少し違う意味で使っています。そこは読んでもらえばわかるかと思いますので、ぜひ読んでその目で確かめていただきたいです。

攻めの祭は狼の姿の大柄な大学生です。一見人当たりがよさそうで、でも少し捻くれたかわいい皮肉屋ですね。自分の容姿にコンプレックスを抱いている、諦観の強い青年です。
受けの哲平は高校を中退した引きこもりの男の子です。猫のような吊り目で、一見クールそうに見えますが、実はよく喋るし人懐っこい少年です。まだまだ不器用で幼いところが見所です。

ふたりともものすごく距離感に敏感なので、お互い少し触れては手を放す、みたいな慎重さを持っています。距離感を確かめるところは特に丁寧に描きました。

ところどころに散りばめられた祭のわかりにくい皮肉コメントですね！言い回しが気に入ってます。

執筆中の癒しは猫ですね。今は家に10匹飼い猫がいる上、保護活動もしているので保護猫も4匹くらいいます。ダメだダメだと思いつつ、猫吸いはやめられません。

獣人はもちろん大好きなのですが、ガチムチ受けが本当に本当に大好きで、いつか書かせていただきたいのですが、ＢＬ小説ではなかなか難しいですね……。しょんぼり。

物語の構成はもちろん大事ですが、私は特に文体に注意しています。読んでいて心地いい文章や言い回しを常に考えながら書いています。

上でも言いましたが、ガチムチ受けを書きたいです！！
もしくは職業モノにも挑戦したいですね。調べものをするのが好きなので、多少専門的なお話も書いてみたいです。

はじめまして。寺崎昴と申します。
今作が商業ＢＬでのデビュー作となります。勝手もわからず右往左往しておりますが、少しでも多くの皆様にお手に取っていただけましたら幸いです。
ご感想やお手紙にも死ぬほど飢えておりますので、お送りいただけますと喜びの舞を踊ります！
昨今何かと大変な世情ですが、皆様もご健康に気をつけてお過ごしください。
ここまで読んでいただきありがとうございました！