『竜王の婚姻』刊行1周年記念 佐伊先生インタビュー

帯入れ込みイメージ

インタビュー

まずは、発売一周年おめでとうございます!
最近では、ちるちる様主催の『BLアワード2025』にも入賞されておられますが、お気持ちをお聞かせください。

まさか自分が入賞するとは夢にも思いませんでしたので、最初に話を聞いた時には信じられない気持ちでした。すべて皆様のおかげです。本当にたくさんの励ましをいただきました。また、イラストを描いてくださった小山田あみ先生にも感謝の気持ちでいっぱいです。

『竜王の婚姻』は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか?

男同士の婚姻が可能な世界、オメガバースを書いてみたいと思っていましたが、なかなかまとまりませんでした。赤い月によって発情を促される設定が浮かんだのを皮切りに、どんどん世界観が出てきました。

タイトルは、どのようにお決めになりましたか? また、タイトルに込めた思いがおありでしたらお聞かせください。

文字通り、竜王の婚姻話によって世界に変化が生じるという設定を思いついたのが最初です。あまりに簡潔すぎるタイトルを思いついてしまったので、もうこれは先に何かの作品で使われているかな、と思って調べたらこの五文字はなかったので、じゃあこれにしようと思いました。

創作に入られる際、タイトルとプロットは、どちらを先にお決めになりますか?

タイトルが先です。というより、商業で書かせていただくようになってからようやく作り始めましたが、それまでプロットを作っていませんでした。タイトルが決まった時に目標というかテーマみたいなものができるので、それを目指して書いています。

主要なキャラクターの誕生秘話やキャラ設定への思い入れなどをお聞かせください。
(名前の由来なども、お聞かせいただけますと嬉しいです)

事を運ぶのに必要な人間だけを作ろうとするのですが、悪い癖で数が多くなってしまいがちです。名前はパッと浮かんだものをそのまま使うことが多いですが、アスランは金獅子獣人の子供ということで、かの有名なライオンの名前から取りました。セナは、容貌はさほど美しいわけではありませんが、ラストに向けて世界を救う存在に、世にも美しい人間になってくれることを祈って「世那」から「セナ」と名付けています。

各キャラクターの個性も読みどころの一つだと思います。彼らのスタイルに、テーマやこだわりがありましたら、教えてください。(服装・持ち物・ヘアスタイルなど)

軍隊が色々出てくる話なので、立場や状況によって個性が出るようにしました。北方防衛師団のガングルは元帥なのに身なりにあまり構わず、髪もはねまくって汚れたマントでも平気で羽織っているような男で、部下の方がこぎれいにしている有様です。北方は団結力が強い土地なので、主君が体裁を繕わなくても部下が勝手に一枚岩となってくれる雰囲気をそういうところで出せたらいいなと思いました。そういう誰にも伝わらない裏設定みたいなものを作るのが好きです。
小山田先生が北方防衛師団を見開きで描いてくださったのですが、ガングルが私の想像をはるかに超えた良い男で(笑)でも小汚くしてくださいなんてあの美麗の極みのイラストに言えなかった(笑)けど私が裏で設定していた彼らの雰囲気がイラストからにじみ出ていて、驚嘆しました。

アリオスとジグルトはどちらかというと悪い印象からスタートしているかと思います。しかし、物語が進むうちにアリオスは愛されキャラに、ジグルトは憎めないキャラへ変化していきました。意識したポイントなどはございますか?

アリオスはWEBで連載中、当然ながら良い印象を抱かれないキャラでした。分かっていて書いていたのですが、これは物語が着地した時に賛否両論あるだろうなと覚悟していた部分はあります。ジグルトは憎まれたままでも全然いいやと思っていましたので(笑)何も意識はしませんでした。もともと私は嫌われ役、性格の悪い奴が好きなので、それで憎めないキャラになってくれているのかもしれません。

今後の作品でチャレンジしたいテーマやモチーフはありますか?

書きたいものはたくさんあります! 現代物やコメディなども書いてみたいです。竜王の婚姻も、できたら外伝のような形で書けたらと願っております。

最後に、読者様にメッセージをお願いします。

皆様のおかげで「竜王の婚姻」発売一周年を迎えることができました。上下巻の紙書籍としても刊行できたのも、読者の皆様の声があったからです。お手紙や感想、コメント、レビューなど、一年間の応援、本当にありがたかったです。心より御礼申し上げます。

竜王の婚姻上・下

著:佐伊/イラスト:小山田あみ

MUGENUP/エクレアノベルス

発売日:2024年04月26日

書影
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『竜王の婚姻(上)黄金の獅子と白銀の狼』あらすじ

妊娠可能な身体であるため皇帝へと嫁ぐセナだったが、初夜で思わぬものを見てしまい…。重厚で壮大なラブロマンスファンタジー!

小国の王子であるセナは、「惹香嚢」という男でも妊娠可能な特殊な臓器を体内に有している。
発情期には男を惑わす魅惑的な香りを放つため、問題が起きぬよう、たった一人で牢に隔離されるという生活を送っていた。

淫売と罵られ、家族にさえ顧みられないセナだったが、ある日突然父王から「お前を、レスキア皇帝に嫁がせる」と命じられてしまう。
惹香嚢持ちとはいえ、男が後宮入りした例はなく、帝国への従属の証しとして嫁いでも、殺されてしまうかもしれない――。

命令には逆らえず、セナは侍従一人だけを供にレスキア帝国へと向かう。 そして迎えた皇帝との初夜。
発情したセナが目にしたのは……。

『竜王の婚姻(下)竜の頂と導く者』あらすじ

上位神官が行っている『恐ろしい事実』を知ったセナたちは、神山からの脱出を図るが…。重厚で壮大なラブロマンスファンタジー!

男でも妊娠可能な「惹香嚢」という臓器をもっているため、小国の王子であるセナは従属の証しとしてレスキア皇帝アリオスへと嫁ぎ、息子アスランを出産する。

自分と同じ惹香嚢体で生まれたアスランが竜王の伴侶として婚配者に選ばれたため、セナは神山より派遣された獣人族の護衛官イザクとともに神山へ向かうことに。

しかし、やっと辿り着いた神山では不可解なことが起こっていた。

次々と消える惹香嚢体、謎の多い上位神官の行動、そして皇帝廃位――。

利権を求め各国の思惑が交錯するなか、息子を守るため神山からの脱出を図るセナだったが……。



特典情報

2冊セット購入特典

コミコミ特典SS小冊子

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※特典はなくなり次第終了となります。
※商品ページに記載がある特典はお付けします。


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有償特典アクリルコースター

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©︎佐伊・小山田あみ/MUGENUP

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