『乙女ゲームの世界にモブ転生したようですが、始まる前に王子がドロップアウトしました』発売記念 藤原チワ子先生インタビューページ

帯入れ込みイメージ

インタビュー

今回のルビーファンタジーBL大賞に応募したいきさつを教えてください。

カクヨムの最新情報にてファンタジーBL大賞が創設されたのを知り、テンションがぶち上がってしまいまして。
大好きなんです、ファンタジーなBL。
ぜひ自分も参加したいと見た瞬間に思い、そのまま勢いで参加してしまいました。

受賞のご連絡が来た時のお気持ちは?

ストーリーの落ちを決めてしまうとBL本番の入る余地がありませんでした。
というかキスさえ入りませんでした。
これはやばい…ルビーファンタジーなのにBLシーンがないなんて…と思っていただけに、受賞のお知らせには非常に驚きました。ありがとうございます!
(ルビーファンタジーですから書き下ろし部分にはBLシーンを充実させていますのでご安心を!)

ペンネームに由来がありましたら、教えてください。

ペンネームのチワ子は、チワワを心から愛しているからです。
チワワ子では語呂が悪かったので、チワ子で。
…以前、チワ(痴話)子の名に恥じないエロですねと誉め言葉をいただいたことがあるのですが、違うんです…チワワが由来なんです……。

『乙女ゲームの世界にモブ転生したようですが、始まる前に王子がドロップアウトしました』は、どんな物語でしょうか?

乙女ゲームの悪役令嬢を主役にしたスピンオフアニメの世界。そこに異世界転生したモブが主人公の物語です。
アニメとよく似ているけれど、少し違っているファンタジーな世界。俺様王子の部下となった主人公アレクシスは、アニメ(ゲーム)開始の合図となるピンク髪ヒロインの登場を警戒しながら待っていました。だが開始前に第一王子が悪役令嬢にお約束の婚約破棄を突きつけ、物語の舞台からドロップアウト。
タイミングが早いよ! と混乱しつつも敬愛する第一王子のためにがんばる主人公の話です。
そして一度は諦めた真実の愛を手に入れた第一王子セドリックの話でもあります。

今作は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか?

ファンタジーBL大賞の募集に浮かれ、テンション高いままとにかく自分の好きなシチュエーションを詰めれるだけ詰めよう、と思って詰め込みました。
乙女ゲーム転生、悪役令嬢、モブ転生、幻想生物、ざまぁ等々。
どれも一度は書きたいと思っていたシチュでした。書くきっかけをくださったファンタジーBL大賞にありがとうございますと言いたいです。

今作の読みどころやお好きなシーンのご紹介をお願いします。

ざまぁです。それまで決して表に出さなかった(出せなかった)万感の思いを込めて成し遂げられたセドリックの復讐をお楽しみください。
(ちなみに主人公一人称で進む本編、アレクシスはざまぁが行われたことに気づいていません)
好きなシーンは、二人が手を繋いで歩く本編ラストです。幸せになーれと思いながら書きました。

創作に入られる際、タイトルとプロットは、どちらを先にお決めになりますか?

プロットありきです。最後までおおまかな流れを決め、それに沿ったタイトルをつけます。
話の落ち(最終話)を先に固め、肉付けするようにエピソードを積み上げていくのですが、たまーにどうしてこうなったという感じで途中が変わることも。ラストだけはきっちり決めているので、おそらくなんとかなっているのだと思います。
そんな感じでプロット重視なので、タイトルを伏線にすることも。

メインカップルのご紹介と彼らを描く上で、大切にされたことや、こだわられたことがありますか?

セドリック第一王子(のち臣籍降下して大公)×アレクシス(下っ端暗部のモブ従者)。
乙女ゲーム内では俺様王子だったけれど、アレクシス目線では寡黙で忍耐強いセドリック。
セドリック目線ではアレクシスは命を助けてくれた恩人で、秘めるしかない好意を抱いた相手です。好意を向けているのを敵の正妃に知られると、間違いなくアレクシスが殺されるので。
しがらみから解放され、徐々にアレクシスと気持ちを交わしていくセドリックを丁寧に表現したいと思っていました。――まあ見事に隠していたのでアレクシスはまったく気づいていないのですが。

メインキャラクターは、どんな二人(攻めと受け)ですか? 

セドリックは忍耐の人です。正妃の嫌がらせや暗殺の危険を耐え、“冷徹王子”と呼ばれても一番大事な存在を守り抜く強さを持っています。
受けに対しては一途で溺愛。ずっと彼のことを思い、守ってきました。今後も彼一人だけを愛し抜きます。
アレクシスは……わんこです。王家ならぬ第一王子に忠実な犬。本人はクールな猫だと思っていますが、間違いなくわんこ。見えない尻尾を振り回して懐いています。
攻めに対して基本的にノーは言いません。だって嫌じゃないから。
照れたり恥ずかしがったりしながらもすべてを受け入れ、ずっと寄り添い支えたいと思っています。

各キャラクターの個性も読みどころの一つだと思います。
彼らのスタイルに、テーマやこだわりがありましたら、教えてください。
(服装・持ち物・ヘアスタイルなど)

前提が“乙女ゲームの世界に異世界転生”なので、登場人物は乙女ゲームっぽい定番の個性や設定を目指しました。テンプレがお約束の世界観だと考えていますので。
ゲーム内で攻略対象なキャラクターたちの容姿は、乙女ゲームあるあるです。
外見、性格、イメージカラー。青が知的で赤が熱血脳筋はお約束。
ですが似て非なる世界ですので、やはり少し違いがあります。

作品を書かれる上で大切にされていることや心がけておられること、意識しておられることはありますか?

読みやすい文章を心がけています。声に出して読んでも違和感のない言葉の流れを意識し、出来るだけ平易に簡潔に。チェック時に気になった部分は実際に口に出し、リズミカルになるように変更しています。
詳しい描写もあまりせず、その分読み手の想像力を掻き立ててもらえれば。シーンが映像のように頭に浮かんだならうれしいです。

今後の作品でチャレンジしたいテーマやモチーフはありますか?

最近のマイブームがバディ物やブロマンスな話なので、そういう話が書けたら書きたいです…。
大好きな異世界物。一人称で、相方を心から信頼している主人公。
主人公の目線では見えない相方の、秘めた心のうちは…という風な性癖全開な話が読みたい!
読めないなら書くしか!
などと考えています。

読者様にメッセージをお願いします。

こんにちは、藤原チワ子と申します。
このたび第1回ルビーファンタジーBL大賞にて、優秀賞をいただくことが出来ました。
多くの方々に目を通していただき、応援していただいたおかげだと思っています。ありがとうございました。

乙女ゲームの世界にモブ転生したようですが、
始まる前に王子がドロップアウトしました

著:藤原チワ子
イラスト:睦月ムンク

KADOKAWA(角川書店)/ルビーコレクション

発売日:2025年12月01日

書影

STORY

断罪予定の第一王子×乙女ゲームに転生したモブ

乙女ゲームの世界に転生したアレクシスは、断罪予定の第一王子セドリックの従者兼護衛であった。破滅の運命に戦々恐々とするがシナリオ開始前にセドリックが物語から退場し!?

第1回ルビーファンタジーBL小説大賞
優秀賞 受賞作!!

アレクシスは乙女ゲームの世界に、第一王子セドリックの護衛という立場のモブキャラクターとして転生した。転生した世界は、乙女ゲームのスピンオフアニメで、悪役令嬢が主人公として活躍するはずなのだが、物語は予想外の展開を見せ、断罪される予定の第一王子セドリックが突如、婚約解消と王位継承権放棄を宣言し、辺境への引きこもりを宣言する。アレクシスは王子とともに辺境に向かうことになるが、セドリックにとってアレクシスはモブ以上の存在のようで…?

特典情報

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※商品ページに記載がある特典はお付けします。

©︎Chiwako Fujiwara 2025 イラスト/睦月ムンク

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