『餓えた犬は肉しか信じない』発売記念 暮田マキネ先生特設ページ

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インタビュー

新作『餓えた犬は肉しか信じない』は、どんな物語でしょうか?

企画の最初が「同一舞台でのオムニバス」だったこともあり、明確なテーマがあるようでない作品、というのが正直なところです。
もちろん個々にドラマはあるんですけどね、こんなお話ですってすごく言いにくい(笑)。
ただ、最終回のネームを描いている時、「ああ、これは後悔のお話だったんだなぁ」とふと気付きまして、その心持ちで改めて第一話から読み返したところ一貫して流れるテーマはそれでした。
テーマを定めて描くのが普通なので、ちょっと不思議な体験でしたね。

新作『餓えた犬は肉しか信じない』は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか?

前述のとおり、企画ありきの作品だったので、まず物語を展開させる舞台を考え、漠然と飲食店がいいかなと思っていました。
私の作品にはちょいちょい子ども達が出てくるんですけど、基本的に主人公達の過去としての「子ども」なんですよね。
現在進行形の子どもは描いたことなかったので、それに挑戦してみるかというものあり、当時社会問題として取り上げられることが多くなっていた「こども食堂」との融合を思いつきました。
ただ、描きたいのは社会問題ではなく恋愛なので、主役はあくまで大人達。
全体としてはそういう感じの着想なんですが、一組目の山城×沢渡編には、私が過去、ある同級生に抱いた後悔が反映されています。
もちろんこの二人みたいな艶っぽい甘酸っぱい関係性じゃないんですけど(笑)。
もっとこう、上手くやれたんじゃないかなって、未だにというか今だからこそ、ですかね。思うことがあって。
そういう若い時分の、若さゆえのままならなさって多くの人が経験されてると思うんですけど、大人になってもふっきれないでいる私や誰かに向けて描いてたとこもあるなと、思います。
なんかずっときれいごと言ってるみたいで気恥ずかしく申し訳ないんですけど、大人の再会ラブ最高だよねとかお互いの「最初」にはなれなかったけど「最後」にはなれるだろう二人切な尊いとか、人間味あふれる欲望も抱えながら描いてますので、どうぞお気楽にお読みください。

創作に入られる際、タイトルとプロットは、どちらを先にお決めになりますか?

断然プロット先行ですね。タイトルは下手したら初回原稿終わってもまだ決められない時があります。
タイトルが先に決まってる時は自分の中で物語のテーマがはっきりしてる時なのでプロット作りも比較的順調にやれるんですけど、絶対このタイトルで!と思ってプロット進めたもののタイトルは採用されずとかも結構あります(笑)。

新作のタイトルは、どのようにお決めになりましたか?
また、タイトルに込めた思いがおありでしたらお聞かせください。

オムニバスなので、3つの話の総括になるようなもの…と考えていました。
私は日々気になった言葉やフレーズをスマホのメモ帳に書き留めているのですが、実際に使えることは滅多になく、今回はその滅多にない一回となりました。
本作のタイトルは、ロシアの著名な劇作家、アントン・チェーホフの戯曲『桜の園』の中の台詞から拝借しています。
個人的には描いてるものにぴったりだなあと思ってるんですけど、雑誌掲載時の感想など拝見していると、意味深に思わせてしまってる感じがありますね(笑)。
申し訳ない、わりと言葉まんまの意味です。
単行本の装丁をお願いしたデザイナーさんからも意味を聞かれたので、担当さんに「平たく言うと…いいからやらせろって意味かな」と答えたら大爆笑の後「最低」と言われました。
いやでも、そういうことなの。ごたくはいいんだ、確かなものを寄こせって、そういう心境で相手を求めるに至る男たちのお話なんです(真顔)。

新作の読みどころやお好きなシーンを教えてください。

過去作に比べて、今回は3組とも結ばれたり心が通じ合ったりしたシーンがなんか描いていて幸せになれて好きでした。
あと、宙がパパにくっついてるシーンは全部お気に入りです。

お気に入りのキャラクターや描き(動かし)やすい、または思い通りにならないなど、キャラクターで違いがありますか?

お気に入りは、楽と宙のおちびコンビです。性癖とかじゃなく。
純粋に可愛いなあって癒されるのもあるし、バランサーとしても優秀だなと思っています。
大人たちが割とギスギスするのをこの子達が中和してくれたなーと。
今回特に描きにくい動かしにくいと思うキャラはいなかったんですけど、釦は割と最後までどう描いていいのかわからないまま進めていました。
読者さんに嫌われそうだな…って思ってたんですよね。
だから初期設定より若干美人度増していったところもあります(笑)。姑息でした。

執筆中のエピソードや裏話などはございますか?

そうですね…掲載誌が変わりましたね(笑)。
色々ご心配をおかけしてしまいましたが、物語をちゃんと描ききり、こうして単行本にもして頂けて良かったです。

気分転換やリフレッシュの方法、癒しのアイテムなど、教えてください。

時間の使い方が年々下手になっていくせいで私生活が本当に情けないんですけど、ウーバーイーツのおかげで、食事がちょっとしたイベントレベルの気分転換になるので助かっています。
安くはないですけど、カロリー(栄養とは言わない)と自分の機嫌を手軽に取れるので結果コスパいいんじゃないかなと思うんです。

BLで萌えるシチュエーションやお好きなキャラクター設定をお聞かせください。

快楽に弱い地味顔清楚受けが好きだと何回だって叫びたいし、なんだって持ってるハイスペ攻めが唯一そういう子の心だけを手に入れられなくて七転八倒するシチュ大好きだって心に刻んで生きています。

今後の作品でチャレンジしたいテーマやモチーフはありますか?

ここ数年「シリアルキラーものが描きたい」とことあるごとに言ってたんですけど、描きたいのはサイコパスものだと、言い間違いにふと気づきました。
あともうそんなにサイコパスも描きたくない気がします。
鉄は熱いうちに打たないとダメなんですよ。
だからあんまり提案する企画没にしないで欲しい(全担当さんへ)。

読者様にメッセージをお願いします。

三年ぶりの単行本ということで、いつにも増して緊張しています。
昨今、BLにおける短編集はあまり好まれないと聞いてはいるのですが、私よく編集の方に「暮田さんて短編の方が上手くない…?」と言われてどんな顔していいかわからないってなってるので、編集さん達のお言葉を信じてご購読いただけたら嬉しいです。
別に上手くないと思った時は、三親等の方にだけそっとお伝えください。

餓えた犬は肉しか信じない

暮田マキネ

コアマガジン/drapコミックスDX

発売日: 2023年07月25日

書影

STORY

衝動と、後悔と、情欲と—―…
19年越しの初恋。

一人で子供を育てる沢渡は、ある日息子の宙が家を抜け出し、近所のこども食堂に通っていることを知る。叱ろうとする沢渡だったが、その食堂には19年ぶりに再会するかつての同級生・山城がいた。社会福祉士である山城に、いつでも頼ってくれと言われるも、彼とのある苦い思い出から、素直に頼ることが出来ずにいたけど…?
その他、ごはん屋・まるの調理師×店主やボランティア学生同士の恋模様など、切な甘いラブストーリーをたっぷり収録!!

出版社様コメント

本作は、「ごはん屋・まる」を舞台として3カップルが織りなす切なくも甘いハートフルラブストーリー♡
それぞれのカップルがそれぞれに抱える心の痛い部分や瑞々しい感情、柔らかい心情を描いており、暮田マキネ節が炸裂しています!
250P超えの大ボリュームで読み応え抜群&妄想が捗ること間違いなし!!
この機会に是非お楽しみください。

お試し読み一部公開!

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特典情報

有償特典

有償特典描き下ろし
アクリルコースター

コミコミ特典描き下ろしペーパー

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※商品ページに記載がある特典はお付けします。

コミコミ特典

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©️暮田マキネ/コアマガジン drap

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