『サイレントノイズ(1)』発売記念 いちかわ壱先生インタビューページ

インタビュー

新作『サイレントノイズ 1』は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか?

担当さんと新連載について話し合う中で「ガイドバース」というジャンルをはじめて知り、設定に興味をひかれました。
個人的にいつか主従BLが描きたいという夢があったのですが、このガイドバースを主従ものとうまく合わせられたらおもしろくなりそうだなと思い、サイレントノイズの話が生まれました。

新作のタイトルは、どのようにお決めになりましたか? また、タイトルに込めた思いがおありでしたらお聞かせください。

 本作の攻めは「五感が常人離れに発達している」という超能力者で、当然耳もすごく良いです。
常に聞きたいこと以上のものが聞こえ、雑音が多すぎて逆に何も耳に入らないという無の状態に、ただ一人の声だけは鮮明に聞こえる…というようなイメージでタイトルを決めました。
タイトル決定には担当さんにめちゃくちゃお世話になりました!!

創作に入られる際、タイトルとプロットは、どちらを先にお決めになりますか?

プロットです!タイトルは毎度担当さんを巻き込み悩みに悩みます。

新作『サイレントノイズ 1』は、どんな物語でしょうか?

 五感のいずれか・もしくは全てが非常に発達している「センサー」、センサーを癒す能力を持つ「ガイド」という希少な2種の超能力者と、能力を持たない一般人である「ミュート」が存在する「ガイドバース」という世界観のお話です。
能力者家系に生まれたもののミュートである百目木尊と、幼いころから尊の護衛として仕えている優秀なセンサーの犬童暁臣が、尊の高校入学を機にあれやこれやに巻き込まれたり巻き込んだりしています。

本編画像1
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今作の読みどころやお好きなシーンのご紹介をお願いします。

 「※付き合ってない」と注釈を入れたくなるくらい常時いちゃついているところが見所です!
幼い頃からずっと一緒+暁臣の過度なスキンシップに慣れきっているため、距離感がバグっています。

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主要なキャラクターの誕生秘話やキャラ設定への思い入れなどをお聞かせください。
名前の由来なども、お聞かせいただけますと嬉しいです。

 主従を描くなら、受けが主・攻めが従の立場というのは個人的な好みで決まっていました。
ガイドバースとしてみた時、従者である暁臣が強い能力者だろう…と考えたらどんどんストーリーが溢れてきた感覚です。
犬童暁臣は従者ということで、ベタですが「犬」と「臣」を名前に入れると決めていました。
百目木尊は漢字の通り「尊い・神や貴人の名に添える敬称」などの意味ですが、命名者が当主である祖父という設定で、兄・姉の名前とあわせて結構大それた意味をこめようと思ってつけました。
百目木は元々百目鬼と書き、代々目の良い能力者が生まれてきたという設定からきています。

メインカップルのご紹介と彼らを描く上で、大切にされたことや、こだわられたことがありますか?

 メインカップルは犬童暁臣(センサー)×百目木尊(ミュート)です。
暁臣は分かりやすく尊以外には興味がないですが、尊のためにも対外的にまっとうな大人として行動できる人、尊は気さくで人に愛され、また愛され慣れている子ですが、一方で良家の子息らしくほんの少し近づきづらさが消せないような雰囲気を大事にしました。
その分お互いにしか見せない顔や二人きりの時の甘さが引き立つといいなと思います!

メインキャラクターは、どんな二人(攻めと受け)ですか?

 攻めの暁臣は尊が自分の世界の全てのような溺愛従者、基本的に尊以外に興味の対象がありません。
受けの尊はそんな暁臣や家族からの重すぎる愛情を一身に受けて育った純朴で真面目な少年です…が、消せない主人オーラを持っています。ミュートであることから度々心無い言葉を受けつつも、卑屈にならない強さもあります。
2人は主従の関係ですが幼い頃から一緒のため、一見仲のいい幼馴染や兄弟のようにも見えるような間柄です。
近すぎる距離が当然になっているせいで、誰が見ても愛情溢れた暁臣の態度も尊にとっては特別なことに映らず、尊は暁臣を何の得もない自分の護衛から解放したいと思ってしまっています。

各キャラクターの個性も読みどころの一つだと思います。
彼らのスタイルに、テーマやこだわりがありましたら、教えてください。

 2人ともスーツ・制服スタイルが一番多いのですが、基本的に着崩さないよう意識しました。
ある回で暁臣がバスローブっぽいものを着ているのですが、自分で描きながら露出似合わないなと思いました笑

苦労された点や楽しかった点はどんなところでしょうか?

 ガイドバースというはじめて描く世界観なので、楽しさもありつつ難しいと思うことも多かったです。
こういうエピソードを描きたいけど世界観的に成り立つのか?など、結構細かく担当さんに相談しつつ進めました。
また、ガイドバースという設定になじみのない読者さんも、何度も説明を読まなくても話にすんなり入っていけるようなお話づくりを意識しました。

いちかわ壱先生の中で、執筆を重ねるうちにキャラクターやプロットに変化や発見がありましたか?

 暁臣は当初、もっと尊への態度がわかりづらくて愛情に気づいてもらえない、みたいなキャラ設定だったはずなのですが、気づいたら愛情全力投球のわかりやすい激重従者になっていました!楽しいので良しとします!

本編画像

お気に入りのキャラクターや描き(動かし)やすい、または思い通りにならないなど、キャラクターで違いがありますか?

 暁臣は「尊のため」という行動原理がかなりわかりやすいので、簡単に動いてくれるし描いていてとても楽しいです!
尊のクラスメートの逢坂(センサー)も、年頃の少年らしく、自分的には珍しいツンデレ男子で描いててとても楽しいお気に入りキャラです!いじめたくなります!!

「サイレントノイズ 1」はガイドバースを主軸とした主従学園BLとのことですが、描くに当たって苦労した点、また、ここが好き!外せない!など、特に意識された点はありますか?

 他の生徒に見られてキャーキャー言われる、的なのは鉄板だよなと思い外せませんでした…!まだ描けていないのですが、誰もいない教室でこっそり…的なシチュも外せないと思います。学園BLなので学校行事を絡めた話は今後も描いていきたいです!

執筆中のエピソードや裏話などがありましたら、お聞かせください。

 暁臣のスピリットアニマルの宵を描くために狼本を入手しました。狼かわいいです!
家族と狼を見に行く約束もとりつけました。
でも宵は一応犬です。

癒しのアイテムや気分転換の方法、またハマっていることなどがおありですか?

 無理をしないタイプのいっぱい食べる系動画にはまってます。おいしいものを食べてしあわせそうな人を見ているとかなり癒されます…!いっぱい食べれるのって才能です。

BLで萌えるシチュエーションやキャラクター設定を教えていただけますか?

 溺愛はいつも徹底して大好きです!!相手が好きすぎるあまり変人くらいがちょうどいいです。
今作にも通じるのですが、主従や契約・しきたり的なものなど、恋愛外の半強制的な繋がりが恋愛に発展するシチュはとても好きです。

作品を書かれる上で大切にされていることや心がけておられること、意識しておられることはありますか?

 臆せずきれいごとを描き切る、を心がけています。優しいおはなしが好きです。

今後の作品でチャレンジしたいテーマやモチーフはありますか?

 和のモチーフや、嫁入り的な設定が好きなのでいつか描いてみたいなと思います。

読者様にメッセージをお願いします。

 最後まで読んでくださりありがとうございます!
大好きな主従×ガイドバース、楽しく描かせていただきました!
ぜひ皆さんにも新しい世界を楽しんで頂ければ嬉しいです。
よろしくお願いいたします!

サイレントノイズ01

著:いちかわ壱

リブレ/ビーボーイコミックスデラックス

発売日:2024年05月10日

STORY

執着溺愛従者×愛され末っ子主人
主従学園ガイドバース始動!

優秀な能力者家系である百目木家の末子だが、唯一の非能力者である尊。
そんな尊には、優秀な五感覚醒能力者である暁臣が長年護衛として仕えている。
暁臣は過保護・粘着質で四六時中片時も尊のそばを離れない溺愛っぷりで、尊が能力者クラスのある高校に進学しても変わらずだった。
イケメンで目立つ暁臣にクラス中が騒ぎになる中、ミュートなのに能力者クラスに在籍する尊を不満に思う生徒もいるようで…?

特典情報

コミコミ特典4Pリーフレット

商品ページはこちら

※特典はなくなり次第終了となります。
※商品ページに記載がある特典はお付けします。

©️Ichi Ichikawa/libre

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