『俺が異世界で『成功したオタク』になるまでの一連の流れについて』発売記念 木村木下先生インタビューページ

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インタビュー

ペンネームに由来がありましたら、教えてください。

シンプルで、読みやすいペンネームがいいと思っていました。最初に思いついたのは『木村』の方で、あとから字面が似ている『木下』を付け加えました。どちらも日本人の苗字で馴染みがあり読みやすく、かつ苗字が重なっているのが面白いな、と思っていたのですが「芸人みたい」と言われることがあり、それも面白く気に入っています。

今作は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか?

きっかけは、第二回ルビーファンタジーBL小説大賞の開催を知ったことでした。ちょうど仕事も落ち着いていて時間があり、何か書きたいなと思っていたタイミングだったので挑戦してみることにしました。本文の字数が六万字以上というコンパクトさも挑戦しやすかった理由です。また、当時ハマっていたアイドルへの熱が上がりに上がっていて、どうしてもこの情熱をぶつける場所も欲しかったのでした。

今作のタイトルは、どのようにお決めになりましたか? また、タイトルに込めた思いがおありでしたらお聞かせください。

実は中々タイトルが決まらず、苦労しました。カクヨムさんに投稿するのは初めてだったので、一見して内容が分かりやすく、今っぽいタイトルにしたいと思いました。悩みに悩み、なんとか捻りだしました。ぱっと見て異世界ファンタジーであること、アイドル物であること、ハッピーエンドなことを伝えられるタイトルになったと思います。

創作に入られる際、タイトルとプロットは、どちらを先にお決めになりますか?

プロットから考え、タイトルは最後に考えます。創作に入るときはなんとなくですが「こういうのが書きたい!」と言うのがあり、それを形にするためにプロットを書くことが多いです。また、個人的なジンクスですが本文を書ききる前にタイトルを決めたプロットは書ききれたことがありません。プロットを書き、本文も書ききってからタイトルをつけると(当たり前ですが)必ず完結できます。

『俺が異世界で『成功したオタク』になるまでの一連の流れについて』は、どんな物語でしょうか?

主人公の凪が爆発事故で死んでしまった大好きな『推し』を助けるため、世界の管理者と取引をして魔王になる運命を持った少年を救う、という物語です。ですが魔王になる運命の少年アスターは凪の推しだったアイドルと全く同じ顔をしており、凪は彼と恋に落ちることになります。『推し』のためにアスターと関わる凪と、孤独だったアスターの関係性の変化を描きました。

今作の読みどころやお好きなシーンのご紹介をお願いします。

本作は異世界ファンタジーではありますが、一方でアイドル物でもあります。推しと同じ顔をした、でも推しではない相手への凪の気持ちの変化を楽しんでいただければ嬉しいです。作中ではアスターが熱を出して凪が看病するシーンがあるのですが、そこは最初に二人の関係がぐっと近づき、アスターの凪への気持ちが変化するシーンなので書いていても楽しく、今でも思い入れがあります。

主要なキャラクターの誕生秘話やキャラ設定への思い入れなどをお聞かせください。

高瀬凪、という名前は主人公のさっぱりとした性格を表現出来たらいいな、と思ってつけました。攻めであるアスターですが、彼の名前は凪の推しであるアイドル『宮葉律樹』の所属するグループ、アスターボーイズと同軸で考えました。凪にとって特別な意味を持つ名前になったらいいと思ったからです。また、音の響きも孤高な感じや、魔王らしさがあると思います。

メインカップルのご紹介と彼らを描く上で、大切にされたことや、こだわられたことがありますか?

魔王になる運命を背負ったアスター×現代日本に生きるアイドルオタクの高瀬凪というカップルです。眉目秀麗ですが人と関わることが苦手で暗い雰囲気を持つ攻めと、平凡ですが『推し』のためなら一生懸命になれる明るい受け、という対照的なカップルだと思います。彼らを描くうえで大切にしたのは、二人がお互いに相手のどんなところを好きになったのかが伝わるように書く、ということでした。また、凪はアイドルオタクなのでミーハーな部分もあり、アイドル好きな方に「わかる!」と共感してもらえたら嬉しいと思いながら書きました。

メインキャラクターは、どんな二人(攻めと受け)ですか?

攻めはアスター、孤児院の出身で、将来魔王になる運命を背負いながら、それを知らずに大きすぎる魔力に振り回されながら孤独に生きています。貧しい育ちのせいで隠されていますが美しい顔をしており、頭もよく、剣の才能もあります。一方、人見知りで警戒心が強いです。
受けは高瀬凪、日本の大学生で、アスターボーイズという男性アイドルグループのメンバーである宮葉律樹を推しています。彼はあることがきっかけで異世界へ転生し、アスターの『魔王になる』という運命を変えるために行動することになります。内気なところもありますが明るい性格で、努力家です。

各キャラクターの個性も読みどころの一つだと思います。
彼らのスタイルに、テーマやこだわりがありましたら、教えてください。

アスターと律樹のスタイルにはこだわりました。まず、アスターは育った環境のせいで最初は髪はボサボサ、着ている服もボロボロです。凪と関わるうちに髪型が変わり、服装が変わって彼本来の容姿の良さが目立つようになりますが、本人の興味が薄いので着飾ると言うよりは『素材を生かす』方向のシンプルなスタイルです。一方律樹はアイドルらしく、髪は金髪に染めており、着ているのはキラキラ輝くライブ衣装です。
アスターと律樹は全く同じ顔をしていますが、スタイルが正反対なところも楽しんで頂けたら嬉しいです。

苦労された点や楽しかった点はどんなところでしょうか?

苦労したのは、ファンタジーとアイドルという要素をどう組み合わせるか考えるところでした。異世界なので、もちろんアイドル物の醍醐味であるパパラッチに苦労させられたり、ファンに隠れたスリリングなラブシーンだったり、カメラフラッシュの中での受けへの愛の告白……は出来なかったのですが、その分、異世界ファンタジーらしい要素は詰め込んだつもりです。楽しかったのも、異世界らしい魔法や、生物を考えるところでした。また、律樹とアスターという正反対のイケメンに対する凪の心の描写も書いていて楽しかったです。

先生の中で、描き始めた当初と回を重ねるうちにキャラクターやプロットに変化や発見がありましたか?

プロットはほとんど変更なく書き終えることが出来ました。書いていて発見というか、掴み切れず難しかったのは凪やアスターの同級生で、二人が暮らす国の王子であるフィンでした。彼は物語の立場的にはアスターとは正反対の位置にいる『みんなの人気者』『異世界でのアイドル的存在』だったのですが、書いているうちに、そういった側面よりも『王子であること』の方が大きくなっていたのは、変化だったと思います。

お気に入りのキャラクターや動かしやすい、または思い通りにならないなど、キャラクターで違いがありますか?

お気に入りなのは、圧倒的に『律樹』です。そもそもこの作品自体がアイドルを書きたくて始めた物語だったので、彼がいなければ始まらないくらいです。書いていて「ちょっと……理想を詰め込みすぎたか⁉」と不安になるほど完璧なアイドルだと思っています。動かしやすかったのは、やはり凪です。彼は等身大のキャラクターですし、まっすぐな性格なので、素直に動いてくれたと思います。思い通りにならなかったのはアスターです。私の想定とは違い、なかなか凪に心を開いてくれず、焦りました。凪に心を開いてからは、アスターを書くのはもっと楽しくなりました。

作品を描かれる際に、ここが好き!外せない!など特に意識されていることがありますか?

伝わり切らない気持ちが好きで、意識して書いています。物語の中で、アスターが凪に「世界一かわいい」と言うシーンがあるのですが、そのシーンで凪はその言葉が自分に向けられたものだとは思っていないのですよね。アスターも自分の言葉が凪に伝わりきっていないことを理解しています。このシーンを完全に理解できるのは読者の方だけなのですが、そういう『物語の中の人には分からないが、読んでいる人にはわかる』というシーンは書いていて面白いし、好きだと思います。

執筆中のエピソードや裏話などがありましたら、お聞かせください。

この作品はプロットからカクヨムさんへの投稿までが二か月ほどでした。そんなに短い期間で物語を作るのは初めてでした。(他の方がどんな執筆ペースなのか存じ上げないのですが)書きながら「間に合うかな⁉」と常に焦っていたのが思い出深いです。実際、投稿できたのは締め切り直前で、他の方が締め切り日で完結するよう計画的に連載されていたのを見て「そうやった方が良かったのか」と目からウロコが落ちました。次は計画的に書きたいと思います。

癒しのアイテムや気分転換の方法、またハマっていることなどがおありですか?

ハマっているものはやはりアイドル!と答えたいのですが、最近は忙しさもありアルバムを買うだけ買って聞けていません。欠かさず追っているのは、野球漫画です。アプリで追っていて毎週木曜日更新なのですが、木曜日に読むと続きが気になりすぎて早く木曜日が来てほしくてたまらなくなります。一週間って長すぎますよね。小説や漫画は読むスピードを自分で調整できる娯楽なので音楽や映像作品を楽しむ余裕がない時も気軽に手に取れる強さがあるなあ、と最近思っています。(単に私が本の虫だからかもしれません)

BLで萌えるシチュエーションやキャラクター設定を教えていただけますか?

『受けが大切にされている』というシチュエーションが好きです。攻めの地位は高ければ高いほどいいとも思っています。イケメンであればあるほど良い。攻めの眉毛は太い方が良いというポリシーもあります。また、読むときは全く気にならないのですが、書くときは受けの一人称を『俺』にしています。『俺』という受けが好きなので……。同じく書き手に回ってから気づいたことですが、無口な攻めがかなり好きです。

作品を書かれる上で大切にされていることや心がけておられること、意識しておられることはありますか?

読んでいて楽しくなる作品を書きたいと思っています。日々の生活の中でちょっと楽しくなるようなエンタメとして読んでもらえたらいいなあと思っていて、書いている中で自分も少しずつ技術的にも成長出来たら嬉しい……と欲をかいています。

今後の作品でチャレンジしたいテーマやモチーフはありますか?

概念としての『私だけに優しい殺人鬼』は個人的に優越感や承認欲求がかなり刺激されるモチーフだと思っていて、いつか書いてみたいです。次に書くなら『前世から好きだった』系の執着重めのカップルを書きたいと思っています。現代学生ものもいつかは書いてみたいです。花火大会とかバレンタインとか、現代ものでしか味わえない良さって、やはりありますよね。

読者様にメッセージをお願いします。

はじめまして、こんにちは、木村木下です。いつもありがとうございます。楽しく書いた作品が、今回このように賞を頂き、本にして頂けたことが本当に嬉しいです。とても楽しく書いたので、皆様にも楽しく読んでいただけたら嬉しいです。

俺が異世界で『成功したオタク』
になるまでの一連の流れについて

著:木村 木下
イラスト:小嵜

KADOKAWA/ルビーコレクション

発売日:2026年09月01日

書影

STORY

第2回ルビーファンタジーBL小説大賞 優秀賞受賞作

破滅の運命を変えるのは、
ひとりのオタクが注ぐ全力の愛!?

推しと同じ顔をした魔王候補
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世話焼きオタクの転生者

平凡な大学生・高瀬凪は、人気アイドルグル ープ「アスターボーイズ」の熱狂的ファン。 念願のライブで最推し・宮葉律樹と目が合い、 幸福の絶頂にいた最中――会場で爆発事故が 発生し、その場にいた全員が命を落としてしまう。目を覚ました凪の前に現れたのは、「管理者」と名乗る男。律樹たちを生き返らせる代わりに、異世界で魔王となる運命の少年 を救ってほしいと持ちかけられる。公爵家の 末息子・ライルに転生した凪は、孤独で心を閉ざすアスターに近づくが、長い前髪の下から現れたのは、見間違えるはずもない最推しの顔面!?思わぬ偶然に動揺しながらも、凪は不器用で優しいアスターの素顔を知り、次第に彼自身を放っておけなくなって――

特典情報

有償特典アクリルコースター

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コミコミ特典SS小冊子

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※商品ページに記載がある特典はお付けします。

©Kinosita Kimura,Kosaki 2026

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