『灯台守とかもめの子(3)』発売記念 吾妻香夜先生インタビュー&お試し読みページ

インタビュー

2026年でデビュー10周年を迎える吾妻香夜先生。これまでのご活動を振り返られて、今のお気持ちを教えてください。

もう10年経ったのが信じられません…。デビュー当時はコミックス1冊出してみたら終わりかなという気もしていて、ここまで続けられるとは思っていなかったので、作品を読んでくださる皆さんや関係者の方々には感謝しかありません。これからも自分らしい作品を細く長く描いていけたらと思っています。

ペンネームに由来がありましたら、教えてください。

ペンネームらしい良い名前が思いつかなかったので、本名をいろいろ組み替えた名前にしました。デビュー直後は「あずま香夜」とひらがな交じりの表記にしていましたが、なんだかピンと来ないまま描いており、初コミックス発行時に全て漢字表記に変更しました。後者のほうがしっくりきているのであの時変えて良かったです。

デビューのきっかけ、または作品を書こうと思われたきっかけがあればお聞かせください。

コミケきっかけで編集者に声をかけられ、デビューしました。そろそろ持ち込みとかしてみようかなと思っていた時期だったのでラッキーでした。

今作のタイトルは、どのようにお決めになりましたか? また、タイトルに込めた思いがおありでしたらお聞かせください。

プロット時の第1話仮サブタイトルとして付けていたタイトルをそのまま使うことになりました。
捻ったおしゃれなタイトルが思いつかないので、いつもそのまま名前を入れたり作中に出てくるワードを使ったりしていますが、今作が一番シンプルだと思います。

「成長編」「恋愛編」を経て、シリーズ第3巻となる今回はどんな物語でしょうか?

今回は「真実編」です。これまで積み重ねてきた謎や過去が少しずつ明らかになり、物語全体が大きく動き始めます。ルネとエヴァンの恋愛面でも関係性がさらに深まり、ふたりにとって避けて通れない出来事とも向き合う巻になっています。真実編といっても3巻内で全ては描き切れていないため、最終巻にあたる次巻「完結編」に引き継ぎます。

今作は各話ごとのサブタイトルがありますが、中でもお気に入り、または決めるのに悩んだサブタイトルはおありですか?

サブタイトルもどれもシンプルなので悩むことは特にありません。お気に入りは第12話の「潮騒」です。
一時的に険悪ムードになったルネとエヴァンが仲直りし結ばれる回で、12話冒頭の海の音や静かな空気感、その後のルネとエヴァンの心情も重ねたサブタイになったと思います。

今作の読みどころやお好きなシーンのご紹介をお願いします。

これまで張ってきた伏線が少しずつ繋がっていくところです。1巻から読んでくださっている方には、「あれはそういうことだったのか?」と思っていただける場面がいくつかあると思います。3巻はファンタジーならではの展開が次々起こるところも読みどころです。
好きなシーンはラストです。ネタバレになるので詳しくは言えませんが、大変な状況の中でも一筋の希望の光が見えて終わる展開にしたので、あまり不安ばかりが残らず次巻を期待して読み終えてもらえると思います。

主要なキャラクターの誕生秘話やキャラ設定への思い入れなどをお聞かせください。
名前の由来なども、お聞かせいただけますと嬉しいです。

エヴァンは「人生を仕事に捧げた灯台守」、ルネは「何も知らないところから世界を知っていく存在」として考えました。性格も境遇も対照的ですが、お互いに持っていないものを補い合える関係になればと思っています。
名前の由来はそれぞれの意味から選びました。エヴァンは”神は慈悲深い”、”吉報をもたらす者”。ルネは”再生”、”生まれ変わった者”です。

メインカップルのご紹介と彼らを描く上で、大切にされたことや、こだわられたことがありますか?

一途でまっすぐなルネと、真面目で不器用なエヴァンの組み合わせです。
今作は最初から恋愛として描くのではなく、信頼関係や友情としての絆を積み重ねた先に恋、さらにその先に愛があることを大切にしています。そういった理由でも、出会った当初のルネとエヴァンは、恋愛になり得ることのない幼児と老人にしたところもあります。

メインキャラクターは、どんな二人(攻めと受け)ですか? 

素直で行動力があり、思ったことをすぐ口にするルネ。慎重で責任感が強く、自分のことより他人を優先してしまうエヴァン。正反対だからこそ、お互いの存在によって少しずつ変わっていくふたりです。

各キャラクターの個性も読みどころの一つだと思います。
彼らのスタイルに、テーマやこだわりがありましたら、教えてください。

ルネは風になびく長髪が特徴なので、海辺という舞台ならではの風の強さや空気感が伝わるよう意識しています。服装は途中から修道服になり、よりファンタジー感が増せました。 エヴァンは灯台守という職業柄、華美になりすぎず実用性を重視したシンプルな服装です。3巻では灯台守の制服姿もあり、そのギャップも読みどころになっていると思います。

苦労された点や楽しかった点はどんなところでしょうか?

内容面で言うと、今回は物語の核心に近づく巻なので、どこまで描いてどこを伏せるか、そのバランスに悩みました。一方で、ここまで積み上げてきた設定を回収していく作業は描いていてとても楽しかったです。
作画面では、この大掛かりな展開を実際描けるのか? という不安がありましたが、いざ描いてみたら多分なんとかなった…と思いたいです。

先生の中で、連載当初と回を重ねるうちにキャラクターやプロットに変化や発見がありましたか?

大きな流れは最初から決めていますが、連載しているとキャラクターが自然と動いてくれて予定していなかった展開が生まれ、そこからシーンがより良くなることはあります。
プロットでは当初の設定から省略した細かい設定がいくつかあります。全部入れたい想いもありますが、ただでさえ複雑な設定にあれこれ加えてとっ散らかる可能性を思うと、必要最小限の要素に絞る方が確実に読みやすくなるので…。

お気に入りのキャラクターや動かしやすい、または思い通りにならないなど、キャラクターで違いがありますか?

ルネは感情も行動もストレートなので動かしやすいです。
エヴァンはあまり本音を口にしない性格なので、表情や仕草だけで気持ちを伝える場面が多く、そのぶん難しいですが描きがいもあります。

執筆中のエピソードや裏話などがありましたら、お聞かせください。

執筆中の裏話的な話題はちょうどコミコミさんの小冊子に描かせていただいています。
こんなアホな内容を特典にしていいのか? という内容ですが、個人的には気に入っているので是非…(※非常にメタメタしい)

作品を生み出される際に大切にされていることや心がけておられること、意識しておられることはありますか?

毎回できるだけ前作とは違う雰囲気の作品にすることです。また、設定をモノローグで、感情を台詞で、全てを説明しすぎないことを意識しています。世界観や設定は画や台詞の掛け合いの中で、人物の感情は表情や間で語る部分を大切にしたいと思っています。

皆様にメッセージをお願いします。

『灯台守とかもめの子』を読んでくださり、本当にありがとうございます。ここまで一緒に物語を追いかけてくださった方には、これまでの積み重ねが少しずつ実を結ぶ巻になっていると思います。そして物語はいよいよ完結へ向かって進んでいきます。最後まで見届けていただけると嬉しいです!

灯台守

かもめの子
3

著:吾妻香夜

大洋図書/H&C Comics ihr HertZシリーズ

発売日:2026年08月03日

STORY

【人に恋するかもめ×孤独な灯台守】転生×純愛×救済BL

お前の光を目指してきっと帰るから どんな姿になってでも

クレール島で暮らす灯台守エヴァンと、かもめの翼を持つルネ。
ひたむきな求愛の末、恋人となったふたりは甘い蜜月の日々を過ごしていた。
この幸せな時間がずっと続けばいい、そう願うルネだったが、ある夜、灯台の無線を通じて『海神の使者』から不穏な警告が届く──
「海神はもう 限界が近づいている」と。
やがて島を異様な嵐が襲う中、導かれるように灯室へ向かったルネは、エヴァンが隠し続けてきた『ある秘密』を知って……

お前にどんな過去があろうとも、愛する気持ちは変わらない──
神秘の島に秘められた真実とは?
奇跡の求愛譚、第三幕!!

お試し読み一部公開!

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特典情報

有償特典12P小冊子

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※特典はなくなり次第終了となります。
※商品ページに記載がある特典はお付けします。

ⓒ吾妻香夜/大洋図書

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