『運命と偽りの花嫁』発売記念 水川綺夜子先生特設ページ

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インタビュー

ペンネームに由来がありましたら、教えてください。

苗字は誰でも読めるものを意識しました。
また、海辺や綺麗な水の近くが好きなので、そのような涼しげな名前がいいなと思って考えていました。
水、川、夜、と好きな要素を取り入れた感じです。一文字だけ本名からとりました。

角川ルビー小説大賞 優秀賞受賞おめでとうございます!
受賞作である『運命と偽りの花嫁』は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか?

素晴らしい賞をいただき、本当にありがとうございます。
映画やミュージカルが好きなのですが、こちらの新人賞に出そう!と決めた当時に観た名作のいくつかが作品作りのきっかけになりました。
砂漠、雪山、偽装結婚、煌びやかな王宮など、ドラマチックで素敵な要素を組み合わせました。

創作に入られる際、タイトルとプロットは、どちらを先にお決めになりますか?

プロットです。
プロットを完全に固めてから本文を書き、最後にタイトルをつけます。端的なタイトルをつけやすい話を目指しています。

新作『運命と偽りの花嫁』』は、どんな物語でしょうか?
世界観などもあわせて、ご紹介お願いします!

魔法や架空の王国などが登場する、煌びやかなファンタジーオメガバースBLです。
豊かな砂漠国のアルファの青年王・イルは、貧しい北国の王子・アムリタが運命の番だと宣告を受け、嫁取りに出向いて結婚します。
しかし、賢く美しかったはずのアムリタは祖国で激しいオメガ差別に晒されていました。
奴隷同然だったアムリタは出国の際に父王からとある密命を受け、イルを裏切らなくてはならない運命を背負います。アムリタは災害続きの祖国に残した弟を心配しつつも出国。
さらに、嫁いだ先の砂漠国には凶弾に倒れた先代の王がいて、そちらの問題も解決しなくてはならず――、といった内容です。
政治や病や祖国の貧困、アムリタの母の遺言など、さまざまなものが主人公にのしかかりますが、強く男らしいイルの愛情がアムリタを支え、二人で一つずつ乗り越えて関係性を育んでいく物語です。

主要なキャラクターの誕生秘話やキャラ設定への思い入れなどをお聞かせください。
(名前の由来なども、お聞かせいただけますと嬉しいです)

見た目や性格が対照的なカップルがいいなと思い、キャラを考え始めました。
アムリタの名前は、インド神話に登場する万能薬から取りました。知恵によって物語の世界を良い方向に動かし、攻めのイルの心にも効く甘く優しい万能薬というイメージです。
イルサラーブ(愛称イル)は、アラビア語で蜃気楼という意味の単語を組み込みました。
兄のアルスラーン(テュルク語で獅子の意)が先に決まっていたので、兄弟で似た響きにしました。

メインカップルのご紹介と彼らを描く上で、大切にされたことや、こだわられたことがありますか?

大切にしたのは、メインカップルの会話やモノローグの心理描写です。
イルは幼くして両親を失い、少年の時から王位についているアルファの若王です。自負や自信はありますが傲慢なところが一切なく、淡々と民のために働き、国を一大商業国家として盛り立ててきた成功者です。
一方アムリタは、オメガだということで父王から虐待され、唯一の味方だった母も自分のせいで追い詰められてしまい、素晴らしい知性や美貌を持っているにも関わらず王子の立場や自信を根こそぎ奪われてしまいました。
そんな二人ですから、イルは最初からアムリタの苦悩を理解し切れるはずがないと思っていました。なので、会話のシーンで一つ一つの感情の動きやすれ違いを細かく描写したつもりです。
互いの文化や考え方、境遇の違いを言葉で理解し合う姿勢が、アムリタとイルの双方の信頼関係や愛情に繋がり、それが、彼らを取り巻くあらゆる苦難や逆境を乗り越える底力になるようにと話の流れを考えました。

苦労された点や楽しかった点はどんなところでしょうか?

苦労したところは、メインとなる恋愛要素と、国がらみの問題や世界観の説明との兼ね合いです。
BLなので恋愛を一番大きくしつつ、他の部分をどれだけ厚くしたら話として面白くなるのか……と常に悩んでいました。
楽しかった点は、苦労した点以外の全てです!(笑)。特に、架空の国の服や建物の描写は楽しかったです。
好きな世界を作れるのは、ファンタジーを書く際の大きな魅力だと思います。

水川綺夜子先生の中で、書き進めるうちにキャラクターやプロットに変化や発見がありましたか?

イルとアムリタと、サブカップルの攻めのシャリーフはほとんど変わらず進められました。
プロットも概ね変更なかったです。ただ、サブカップルの受けでイルの実兄のアルスラーンは当初の予想よりかなり自由人なキャラになりました。
美人で優しくて病弱なオメガの王のはずが、年上の夫をからかい倒しアムリタを激励する愉快な人になってしまって、こんなお兄ちゃんだったから弟のイルは物静かになったのか~と思いました。

オメガバースの設定と砂漠の王様と奴隷に身を落とした元王子…とてもワクワクする設定です。新たな世界を創作される上で、意識されていることがありますか?

私が書き切らなくてはならないので、まずは私が好きなものを盛り込めるだけ盛り込みます。
また、書店のBL棚に行き、読者の方が好みそうな要素も考えます。それから取捨選択します。
今回は、アラブ、オメガバース、王宮、美人受け、政略結婚、魔法、身分の差、などが残りました。
また、今作はファンタジーですが、その世界で人々は何を食べ、何を仕事にして、どんなものを着て生きてるのだろう……と考え、世界観の辻褄を合わせたりします。その方が、読んでいてスッと受け入れやすくなる気がします。

作品を書かれる上で大切にされていることや心がけておられること、意識しておられることはありますか?

大切にしていることは、キャラクターの設定が被らないようにすることと、どの人物も読者の方に受け入れてもらえるような可愛げやいい所を作ることです。難しいです。
物語は、起承転結がはっきりとわかるシナリオを作りたいと考えています。目を引く冒頭を作ることが難しいです。

今後の作品でチャレンジしたいテーマやモチーフはありますか?

dom/subユニバースが大好きなのでぜひ書いてみたいです!
SMっぽい設定だと、怖そう、痛そうと敬遠される方もいらっしゃると思いますが、色んな物語の作り方があると思います。
根底にあるのは互いへの深い愛と理解なので、大好きな設定です。

読者様にメッセージをお願いします。

ここまで読んでいただきありがとうございます。
今作にご興味を持っていただけたらとてもとても嬉しいです。
楽しんで描かせていただいたBL小説なので、少しでもあなた様の萌えやワクワクになればいいなと願っております

運命と偽りの花嫁

水川綺夜子
ill.ciel

KADOKAWA/ルビー文庫

発売日:2022年09月01日

書影

STORY

第22回角川ルビー小説大賞 優秀賞受賞作家のデビュー作!

北国の王子・アムリタは美貌と聡明さからアルファだと期待されていたが、のちにオメガだと判明する。
オメガは奴隷同然の身。アムリタは父王により地下牢に繋がれる。
一方、砂漠の国ではアルファの若き覇王・イルが妃となるオメガを探していた。
宣託に従い北国を訪れたイルは、一目でアムリタこそ運命の相手だと理解する。
だが長年の幽閉でオメガの嗅覚を失ったアムリタは求婚を拒絶する。
イルは「君に尽くそう」とアムリタを庇護するが、父王はアムリタに非情な命令を下しており…?

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©️水川綺夜子・ciel/KADOKAWA

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