担当さんに「オメガバースを書いてみませんか？」とお勧めされたのがきっかけです。ルビー文庫さんではここ数年作風が固まっていて、私も何か新しい要素を取り入れたいと思っていたのでチャレンジしました。
実は結構悩んだのですよ。オメガバースは既に一大ジャンルとして栄えているので、オメガバース初心者の私はお呼びでないのでは？と。けどまあ、何かを始めるのに遅すぎることはない、と前向きにとらえることにしました。

自分がオメガであることを受け入れられない主人公が、アルファの攻めと出会って葛藤しつつも自分の運命を受け入れていくお話……かな？
攻めサイドから見ると、割り切った契約婚をするつもりが運命の相手と出会ってしまい、あの手この手で番になろうと奮闘するお話です。

私は受けと攻めが何らかのアクシデントで一つ屋根の下に泊まることになってしまった…というシチュエーションが大好物でして、これまで何度も書いてきたのですが、今回は受けに思いがけずヒートが訪れるという大変美味しい要素が加わりました。誘い受けじゃないのに結果的に誘い受けになってしまうという、オメガバースならではのシーンが読みどころではないかと思います。
気に入っているのはラストの受けと攻めの会話。提出間際の切羽詰まっていたときに不意に降ってきました。

このところ紳士的で優しい攻めが続いていたのですが、今回はアルファということで俺様度をかなりアップしました。（あくまでも自分比ですが）　書き始めた当初、尊大な口調や態度に四苦八苦。後半くらいから慣れてきて、俺様ワードがスムーズに出てくるようになりました。

レスター・ダットン（３１歳）
アメリカ有数の富豪一族の御曹司で、凍てついた冬の空のような灰色の瞳の男前。何もかも恵まれているが、名家のアルファであることに息苦しさも感じている。

鷹取千歳（２４歳）
支配的な父親から逃れ、オメガの保護施設で働く生真面目な美青年。アルファの傲慢さに辟易し、アルファに頼らず生きていけるようになりたいと思っている。

当初はめっちゃシリアスのつもりで書いてたんですよ。ところがどこでそうなったのか、書き終えてみればいつものやつになっていました。不思議。

映画「ザリガニの鳴くところ」
最近見たものの中でいちばん刺さった作品です。

長身でガタイのいい攻め×華奢で清楚な美人です！　体格差萌えです！
攻めはそれなりに経験を積んでるけど本気の恋をしたことがなく、受けはゲイだと自覚してるけど恋愛未経験のチェリーちゃん。デビュー前の読者時代からずっとこの設定が好きで、自分でもよく飽きないな～と思います。

受けと攻めの恋愛をメインに書くこと。そんな当たり前な…と言われそうですが、事件絡みのお話を書いているとついつい事件の比重が大きくなりがちなので、ラブがメイン！事件は添え物！と自分に言い聞かせています。

オメガバース楽しかったのでまた書いてみたいです。

こんにちは、神香うららと申します。初めましての方も多いと思うのでちょこっと自己紹介しますと、ルビー文庫さんでは主にアメリカ人セレブ×日本人美青年が事件に巻き込まれつつ愛を育んでいくお話を書いております。
初のオメガバース、渋江ヨフネ先生のドラマティックな美麗イラストとともにお楽しみいただけますように。