『敗北魔王、勇者の末裔と500年後の社会復帰』発売記念 あかつき 雨垂先生インタビューページ

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インタビュー

ペンネームに由来がありましたら、教えてください。

『雨垂(うたり)』は、旅行先でたまたま通りがかったバス停の名前からいただきました。漢字も響きも気に入っています。
『あかつき』は、夜明けの腐女子なので…(笑)夏の地平線近くに浮かぶ大きな赤い月のように、不思議な引力がある作家になれたらいいなという願いもこもっています。

新作『敗北魔王、勇者の末裔と500年後の社会復帰』は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか?

第3回リブレ×pixiv創作BL大賞が開催されることを知って、応募用に書き始めたお話です。
書き溜めていたプロットの中から、「懐の深いリブレさんに選んでいただけなかったら、商業で日の目を見ることはないだろうな」と思っていたものを膨らませて書きました。とは言え、まさか大賞をいただけるとは思っておらず、受賞のお知らせをいただいたときはもの凄くびっくりしました。

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新作のタイトルは、どのようにお決めになりましたか? また、タイトルに込めた思いがおありでしたらお聞かせください。

『魔王が社会復帰って、どんな話?』と興味を持っていただきたかったので、何よりもまず伝わりやすさを意識しました。それから、声に出して読んだ時にリズムを感じられるような組み合わせになるようにしました。

     

創作に入られる際、タイトルとプロットは、どちらを先にお決めになりますか?

ほぼプロットが先です。タイトルを考えるのが苦手で……! 毎回もの凄く苦労しています。

新作『敗北魔王、勇者の末裔と500年後の社会復帰』は、どんな物語でしょうか?

かつて勇者との戦いに敗れ、石化させられた魔王(受・アドル)が500年ぶりに目覚めます。しかし社会はすっかり近代化していて、右も左もわからない状況です。そんな魔王の社会復帰をサポートするために派遣されたのが、よりによって憎き勇者の末裔(攻・オズ)で……というところからお話が始まります。
人間と魔族の対立が深まる社会で、正反対の二人が絆を深めていくのですが、そこには大きな陰謀の影が……という、ラブあり、ドラマあり、アクションありのストーリーです!

今作の読みどころやお好きなシーンのご紹介をお願いします。

魔王(アドル)が500年ぶりに外の世界に足を踏み出して、おろおろするシーンがとても気に入っています。また、アドルとオズがデートするシーンもお気に入りです。
選考時、編集部の皆様に、クライマックスのアクションシーンを『映画のよう』と評していただきました。こちらもお楽しみ頂けたら嬉しいです!
書き下ろしは本編の後日談ですが、書きながら思わず涙ぐんでしまうくらい、とても思い入れのある話になりました。

主要なキャラクターの誕生秘話やキャラ設定への思い入れなどをお聞かせください。

『敗北魔王』のアドルについて。権威ある男が苦悩したりうろたえたりする様子が大好きなので、そうした萌えを詰め込みました。『魔王』である設定を生かすために、それっぽい台詞をちりばめるのも、とても楽しかったです!
名前は造語ですが、語感が気に入っています。

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メインカップルのご紹介と彼らを描く上で、大切にされたことや、こだわられたことがありますか?

受けのアドルは、かつて魔族の国の王様でした。オレ様で、言動は『魔王』なのですが、責任感が強い男です。ただの傲慢なわがまま男ではなく、王として国を統治していた人物らしさを感じていただけるようにしました。
攻めのオズは勇者一族の末裔です。特殊部隊に所属する凄腕でしたが、ある悲劇に見舞われて自暴自棄に。やさぐれ系なのですが、意外と面倒見がいい男です。元軍人としてのリアリティを感じていただけるように、アクションシーンでの見せ場を意識しました。

メインキャラクターは、どんな二人(攻めと受け)ですか? 

歳の差カプで、人外受で、年下攻めです。魔王と勇者の末裔という正反対の属性を持つ喧嘩ップルでもあります。受けも攻めも男前なので、攻×攻なバディの雰囲気もお楽しみ頂けたら嬉しいです。

各キャラクターの個性も読みどころの一つだと思います。
彼らのスタイルに、テーマやこだわりがありましたら、教えてください。

アドルは、黒い白目に黄金の瞳を持つ魔族です。長髪で、尖り耳で、牙も生えています。人外好きなので、自分の好きな要素をたくさん盛りこみました。相葉キョウコ先生の素晴らしい挿絵で、美しいアドルの姿をご堪能頂けますので、ご期待ください!
オズの全身には、魔除けのタトゥーが散らばっています。魔物がはびこる戦地に赴く度に、一つずつ増やしていったという設定です。挿絵でも、チラ見えするタトゥーや、がっつり見えているタトゥーをご覧頂けますので、こちらもどうぞお楽しみに!

苦労された点や楽しかった点はどんなところでしょうか?

苦労した点でいえば、創作BL大賞への応募時に12万字の文字数制限を越えないようにするのが一番大変だったかもしれません。書籍化にあたっての書き下ろしでは、担当さんに「何文字まで書けますか!?」とお伺いして、目一杯、心ゆくまで書きました!
楽しかった点は全部です。喧嘩ップルのやりとりが大好きなので、主役二人の会話シーンは特に楽しんで書きました。執筆中も、改稿中も、本当にずっと楽しかったです。

お気に入りのキャラクターや描き(動かし)やすい、または思い通りにならないなど、キャラクターで違いがありますか?

主役二人については、指が勝手に動いて文字を打ち込んでくれている! と思えるくらい書きやすかったです。
一方悪役は、動機や行動に説得力を持たせるにはどうすればいいかと考え、時に悩みながら書きます。そのため、悪役のキャラクターを本当に嫌いになって頂けたら大成功だな、と思っています。

封印されていた魔王が現代のテクノロジーや文化を学びながら勇者の末裔・オズウェルと距離を縮めていく…というコミカルな設定のお話しですが、執筆に当たって苦労した点、また、ここは外せない!など特に意識されたことはございますか?

設定がコミカルな分、シリアスな要素も入れるようにしました。人間と魔族が対立している社会の描写が薄くなりすぎないように気をつけつつ、メインテーマであるオズとアドルの関係性の変化を楽しんで頂けるように、二人の心の動きを丁寧に書こうと意識しました。
創作BL大賞の特別審査員として講評をくださった三浦しをん先生にも、その点を良かったと言って頂けて、とても嬉しかったです!

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執筆中のエピソードや裏話などがありましたら、お聞かせください。

投稿が完了した後で、創作BL大賞の文字制限を大幅に超えてしまっていることに気付いて、ほぼ一章まるまるを慌てて削除してお話を短くした事があります。そのエピソードには、アドルにとって思い入れのある、とある魔獣が登場していたのですが、書き下ろしで復活させることができました。

癒しのアイテムや気分転換の方法、またハマっていることなどがおありですか?

最近ぬい作りをはじめました! 黙々と針をチクチクしていると心が安らぎます。机のまわりが、本と手芸用品であふれかえって大変なことになっています。

BLで萌えるシチュエーションやキャラクター設定を教えていただけますか?

リバが好きなこともあって、受攻の属性にはそれほどこだわりはない方です。読む方でしたらどんなものでも好きですが、受けも攻めも男らしいと嬉しいかも!
しかしつい最近、自分がハマってきたCPや書いてきたお話がほぼ全て『歳の差』ものであることに気付いて、驚きました。完全に無意識だったので……。

作品を書かれる上で大切にされていることや心がけておられること、意識しておられることはありますか?

作品を読んでくださった方が、ラブストーリーのときめきにプラスして、何かしら新しい視点や驚きを得られるようなお話になったらいいなと思いながら書いています。そのために、自分自身も知らなかった分野の知識を、ある程度掘り下げてから執筆するようにしています。

今後の作品でチャレンジしたいテーマやモチーフはありますか?

がっつりリバものを書いてみたいです!
あとは、もし夢が叶うなら、三部作ぐらいのボリュームで濃厚な長編ファンタジーBLも書きたいです。

読者様にメッセージをお願いします。

『敗北魔王、勇者の末裔と500年後の社会復帰』は、涙あり、笑いあり、アクションありのラブストーリーです。心から楽しんで書いた、とても思い入れのある作品になりました。多くの方々にお力添えいただいて、素敵な本に仕上がったなぁと思っています。とにかく感謝の気持ちでいっぱいです!
読んでくださった方の頭の中で、登場人物たちが生き生きと動き出してくれたら、こんなに幸せなことはありません。
少しでもお楽しみいただけるお話になっていたら嬉しいです!

敗北魔王、
勇者の末裔と
500年後の社会復帰

著者:あかつき雨垂/
イラスト:相葉キョウコ

リブレ

発売日:2024年09月19日

書影

STORY

―500年前、悪と名高き魔王は勇者によって封印され、世界に平和が訪れた。

人間と魔族が共存する国・アデルタ国。
そこで暮らす勇者の末裔で元軍人のオズは、500年の石化刑から復活した魔王・アドルの監視役として共に生活することに。
アドルの力を警戒するオズだったが、アドルの魔王らしからぬ繊細さに触れ、優しくしたいと思うように。
またアドルも、復讐心を捨て現代に馴染もうと奮闘する自分を支えてくれるオズに戸惑いながらも惹かれていく。
2人の距離が近づく中、魔王再臨を望む過激派組織が暗躍し始めており―…!?

特典情報

コミコミ限定特典

SSペーパー

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※特典はなくなり次第終了となります。
※商品ページに記載がある特典はお付けします。

©️Utari Akatsuki・Kyoko Aiba/libre

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