『空に響くは竜の歌声 永遠に響くは竜の歌声』発売記念 飯田実樹先生インタビューページ

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インタビュー

シリーズ完結巻となる『空に響くは竜の歌声 永遠に響くは竜の歌声』は、どんな物語でしょうか?

13代目竜王ホンシュワンと彼の伴侶となる守屋龍聖の物語です。
未曽有の災害にさらされた地球で、守屋家の人々は生き残るために様々な手段を使いました。しかしそれで本当に助かるかは分からない。
12代目龍聖からその話を聞いていた12代目竜王ラオワンは、必死になって守屋家の人々を探します。
しかし探し出すことができないまま13代目竜王ホンシュワンに受け継がれて、彼は自分の伴侶となる龍聖を懸命に探して見つけ出します。
前作「天路を渡る黄金竜」は、ここで終わってしまって、その後の二人の話が今作になります。
ホンシュワンと龍聖がゆっくりと愛をはぐくみ合うお話ですが、地球の危機に直面した彼らは、今後のエルマーン王国の在り方や、シーフォン(竜族)の未来について考えなければなりません。 二人が愛し合い、困難を乗り越えていく物語です。

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今作のサブタイトルは、どのようにお決めになりましたか? また、サブタイトルに込めた思いがおありでしたらお聞かせください。

「永遠(とわ)に響くは竜の歌声」という今作のサブタイトルは、実はかなり前から決めていたものです。
「空に響くは竜の歌声」という物語の終局を考えていた時から決めていました。それは竜王と龍聖の連綿と続く愛の物語をどう終わらせるのか?と考えた時に、物語のラストとしてのイメージをサブタイトルに込めました。

メインキャラクターは、どんな二人(攻めと受け)ですか? 

攻めの竜王ホンシュワンは、歴代最強の力を持つスーパー攻め様です。ですが基本的に、どの竜王も気持ちの中では「スーパー攻め様」と思いながら書いているので、彼が「最強」であること以外に特別際立たせたつもりはありません。読者様を裏切らないかっこよくて受けを溺愛する竜王です。 受けの龍聖は、月基地という特殊な環境に育ったため「純真無垢」という部分を意識しました。歴代の龍聖の中で一番「かわいい」を意識して書きました。とってもかわいい受けです。

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2016年より続いた「竜歌シリーズ」ですが、『空に響くは竜の歌声』という物語は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか?

「空に響くは竜の歌声」は、22年前にwebの個人サイトで発表した作品です。今でこそ転生ブームで、たくさんの主人公が異世界に行きまくっていますが、当時はBLでファンタジー作品は珍しいといわれるくらいにごく少数しかなく(商業では皆無でした)転生やトリップなどもほとんどありませんでした。私はもともとファンタジーが好きだったので、書きたいという気持ちはあるものの、ファンタジーをあまり読みなれない読者様に受け入れられるか?と考えた時に、正統派ファンタジーよりも異世界トリップの方が、主人公が現代日本人なので、物語に入りやすいだろうなと考えました。 でも「ある日目覚めたら異世界にいました」という話では、転生モノのルールを知らない方には分かりづらいだろうと思って、トリップするために「旧家に伝わるしきたりで、代々異世界にトリップしている」という尤もらしい理由を設定しました。

シリーズの主要なキャラクターの誕生秘話や物語の設定への思い入れなどをお聞かせください。

私はドラゴンが大好きなので、ドラゴンを出したいな~、攻めがドラゴンの背に乗っているとかかっこいいな~、じゃあやっぱり「竜王」だよな~! という感じで最初に思いつきました。そして人間ではないことを強調するために「深紅の髪」というのも思いつきました。
名前を中国語のような発音にしたのは、異国感を出すためです。ドラゴン自体は西洋竜の形をしていますが、王の名前が「エドワード」みたいな西洋の名前だとなんかしっくりこないな…と思って、ルックスは西洋人のようだけど、髪色は人外で、服装は中東っぽくして、名前を中国語っぽくすることで、地球上には存在しない人種(異世界)というイメージを作りました。

各代の竜王や龍聖のバラエティ豊かな個性も読みどころの一つだと思います。書き分けるにあたり、テーマやこだわりがありましたら、教えてください。

基本的には、攻めである竜王の設定から考えます。その時代がどのような時代で、エルマーン王国にどんなことが起こるのか?という世界観を考えた上で、そこに必要な竜王とは、どういう人物が好ましいかを考えて、そこからスーパー攻め様になるように作りこんでいきます。
その上で、親子関係にも拘ります。個人的には「似た者親子」というよりは、正反対の性格になるように心掛けて、一見まったく似ていないのに、ちょっとしたところで「父親に似ている」と思わせる部分がある方が萌えだな~と思って設定しています。
受けの龍聖に関しては、江戸時代の人だとあまり大きく違いを付けられないので、性格や思想に違いを付けて、あとは「この竜王が惚れてしまうような相手はこの人」と思わせるような人物像を作り上げます。
ですから攻め様ありきの受け様って感じです。

お気に入りのキャラクターや描き(動かし)やすい、または思い通りにならないなど、キャラクターで違いがありますか?

私は攻めキャラが好きなので、攻めに関してはどんな性格でも「好き」と思ったら書くことができます。書きにくいと思った竜王はいないです。
ですが受けに関しては、自分の性格とは正反対のキャラだと、よくわからなくて書きにくいことが多いです。清楚なキャラとか、物静かなキャラだと、どう書けば清楚に見えるか?物静かに見えるか?と悩みながら書いています。

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飯田実樹先生の中で、執筆を重ねるうちにキャラクターやプロットに変化や発見がありましたか?

私はオヤジキャラが大好きなのですが、デビューした時に担当さんから「そんなにオヤジは読者にウケない」と言われたので(担当さんもオヤジの良さが分からないと言っていたので)作品の中のオヤジ率を下げていたのですけど、「いつかオヤジキャラの良さをみんなに(担当さんに)分からせたい」という野望を抱いて、少しずつ少しずつオヤジキャラを出して、良さのアピールに努めました。おそらく転換期は「天穹に哭く黄金竜」で、26人の老シーフォン達の活躍の場を書いたことをきっかけに、担当さんも読者様も「オヤジがいいと思ってきました」「オヤジが好きになりました」と言ってもらえるようになりました。それ以降は敵も味方も遠慮なく、どんどんオヤジを出しています。

シリーズ全体を通して特に思い入れのあるお話や、執筆中の印象的だった出来事などはございますか? また、完結にあたってはどのようなお気持ちでしょうか?

初代と2代目の話である「黎明の空舞う紅の竜王」と「天穹に哭く黄金竜」は、作中で攻め(初代)が先に亡くなったり、人間との戦争でたくさんの仲間が亡くなったり…と、BLとしてはあまりないようなお話であるにも関わらず、出版させてもらえて本当に嬉しかったです。 そのことがあったので、絶対無理と思っていた悲劇の8代目の話をどうしても出したくて、機会を見て「今だ!」と思った時に、担当さんに相談をしてGOを頂いたときは感無量でした。 そして何よりも13代目まで19冊もシリーズとして出すことができたのは本当に感謝しています。

読者様にメッセージをお願いします。

長きに渡る「空に響くは竜の歌声」シリーズが、いよいよ完結を迎えます。ここまで書き続けてこられたのは、応援して支えてくださった読者の皆様のおかげです。本当に感謝しています。
たくさんのキャラクター達を愛してくれてありがとうございました。
初代ホンロンワンが建国したエルマーン王国の三千年に渡る歴史を、ずっと見つめ続けてきてくださった皆様に、どのように物語を終わらせるのかを見守っていただきたいと思います。

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空に響くは竜の歌声

永遠に響くは竜の歌声

著者: 飯田実樹/
イラスト: ひたき

リブレ

発売日:2024年11月19日

書影

STORY

竜王の恋を描く大人気シリーズ、ついに完結!

歴代最強の力を持つ竜王ホンシュワンは、荒廃した地球の空に浮かぶ月から、運命の伴侶・龍聖を救い出し、エルマーン王国へ連れ帰る。彼らにはこれからの竜族の運命、そして地球の未来がかかっていた。ゆっくりと大切に愛を育んでいく二人。荒涼とした月で育った龍聖は、ホンシュワンが見せるこの世界の景色ひとつひとつに感動して…!
そんな中、暴虐な帝国が戦争を仕掛けてきた。エルマーン王国は、かつての悲劇を再び繰り返すのか? 竜王の血脈と恋を描いてきた大人気ファンタジーBLがついに完結!
▶特設サイトはこちら

主要登場キャラクター

  • ホンシュワン

    十三代目竜王。初代ホンロンワンを上回る歴代最強の魔力を持つ。異世界への扉を開いて滅亡に瀕した地球に行き、月基地から龍聖を救い出して、エルマーン王国へ連れ帰った。

  • 守屋龍聖 モリヤリュウセイ
    (十三代目)

    十三代目リューセー。月基地で生まれ育った明るく純粋無垢な青年。植物の研究者。

特典情報

コミコミ限定特典
書き下ろし小説ペーパー

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※特典はなくなり次第終了となります。
※商品ページに記載がある特典はお付けします。

©️Miki Iida・Hitaki/libre

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