『祝宴の夜に抱かれて』発売記念 日向唯稀先生特設ページ

帯入れ込みイメージ

インタビュー

新作『祝宴の夜に抱かれて』は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか?

香山と中津川は、同人時代から書いていてデビューのきっかけにもなった「誘惑/美祢遥&橘季慈」から登場していた二人(その当時は晃が香山TFのトップ)なので、いつか書けたらいいな――と目論んでおりました。
それもあり、二人の馴れそめは大昔からチョコチョコ作っていて、今回は「十冊目の記念として、どうかこのカップルで書かせてください!」とクロスさんにお願いして、希望を叶えていただきました。

新作のタイトルは、どのようにお決めになりましたか? また、タイトルに込めた思いがおありでしたらお聞かせください。

シリーズなので「~抱かれて」はそのままで。
十冊記念なのと、内容に一番合っているシチュエーションで! と考えて、「祝宴」を選びました。

創作に入られる際、タイトルとプロットは、どちらを先にお決めになりますか?

その話によりけりです。
だいたいはプロットをまとめているときにタイトルが下りてきます。
もしくは、ネタが下りてきたときにタイトルも一緒に――とか。

新作『祝宴の夜に抱かれて』は、どんな物語でしょうか?
「夜に抱かれて」シリーズ続編、どのような恋模様になるか!?楽しみです!!

「~抱かれて」のシリーズは、主人公が全員「香山配膳事務所」という派遣会社の登録員で、配膳のプロフェッショナルというのが基本にあります。なので、舞台が高級ホテルというのが多い、キラキラパーティーのバックヤードですったもんだしているお仕事BLです。
 今回はその事務所の社長と専務のお話で、現在のラブラブっぷりをお見せしつつ、出会いから交際が始まった馴れそめを交えたお話になっております。
 すでに「出来上がっているカップル」のお話だし、二人の年齢&シリーズ開始当時の年代設定があるので、なれそめが前世紀のBL展開でもあり、ある意味貴重な1本を書かせていただいたと思います。

今作の読みどころやお好きなシーンのご紹介をお願いします。

読みどころとしては、専務・中津川のこれでもかってくらいのスパダリっぷり&プライベートに戻ったときの香山の丸任せぶり(笑)を!
 自分として好きなシーンは、やっぱり社長・香山のサービス精神が言動に表れているシーンです。自身の黒服だけは恋人であっても持たせないし預けないを徹していたり――とか。

主要なキャラクターの誕生秘話やキャラ設定への思い入れなどをお聞かせください。
名前の由来なども、お聞かせいただけますと嬉しいです。

香山晃と中津川啓はデビュー作にも出てきているくらい最古のキャラメンバーです。
 ただ、晃誕生のきっかけは、投稿時代に響子(晃の姉で響一たちの母)を主人公にした「ヒロインの配膳話」のプロットを作っていたときに、シスコンの弟(高校生)として登場したのが最初です。
 そして中津川は、そんな香山の親友としてドタバタに巻き込まれていく――という風に生まれたのですが。
 そのヒロイン話を書き上げる前に「同人誌・誘惑」に登場、そのままデビュー作となったので、結局響子で書こうと思っていたネタの一部は、ん十年の時を経てエタニティブックスさんの「ラグジュアリーな恋人」で執筆となりました。
 名前は普通にあるような感じで決めたと思います。

メインカップルのご紹介と彼らを書く上で、大切にされたことや、こだわられたことがありますか?

 香山晃:香山配膳事務所二代目社長にして、若かりし頃は「花嫁より美しい配膳人」「黒服の麗人」「カップルクラッシャー」と呼ばれ、本人の知らないところで成田離婚の原因になることしばしば――。三十代に入った頃には「美男神」とも呼ばれるようになり、響一、響也たち登録員のみならず、業界関係者の憧れの的で、日向わ~るど・サービス業界ではトップに君臨するシェフ・ド・ランにしてコミ・ド・ラン。
 ――という設定に違和感が出ないように、最初の登場シーン(特にビロード)から主義主張にブレのないように気をつけました。

 中津川啓:香山配膳事務所初代専務。父親が外交官のため海外で生まれ育っており、高校入学に合わせて帰国したところで香山と出会う。香山の心技が揃ったサービス精神とプロ意識に魅了されて、大学の頃には父親と同じ外交官になる夢や進路を変更。香山配膳に就職することで、生涯を香山と事務所に捧げる。と言いつつ、世界のセレブを手玉に取っているところがあるシリーズ的にはラスボスな攻め様。大学時代の一つ上の先輩が黒河・白石世代、二つ上が紫藤司というところで、察してあまりあるかもしれないw
 彼はどこまでも縁の下の力持ちで、アラブでも不動産王でもないですが、そうしたキャラ達にも尊敬される人間性作りにこだわりました。私の書く攻めの中では数少ない「気の毒じゃない」攻め様です。

メインキャラクターは、どんな二人(攻めと受け)ですか? 

 若干奴隷願望を疑われるスパダリ攻め×仕事以外はなんにもしない天然入った女王様受け。

各キャラクターの個性も読みどころの一つだと思います。
彼らのスタイルに、テーマやこだわりがありましたら、教えてください。

 黒服・スーツなどの仕事着には、出し惜しみをしない。メンズブランドのオーダーメイドのみ。また、これを長く着られるだけの体型も維持し続けている。

苦労された点や楽しかった点はどんなところでしょうか?

 今作はかつてないほど遅筆で時間がかかりました。何がどうしてなのかはわかりませんが、現在・過去・未来へ――という、普段はあまり書かない構成の流れに足を止めることが多かったのかも知れません。
 楽しかったのは、既刊のキャラ達をこれでもかってほど登場させることができて、また久しぶりに女王様寄りな受けが書けたことです。

お気に入りのキャラクターや書き(動かし)やすい、または思い通りにならないなど、キャラクターで違いがありますか?

 私の中では、どんなキャラクターも自我を持って動くし、しゃべるので、プロット通りに進んでくれないことはちょくちょくあります。それこそ「どこへ行くんだ、お前!!」みたいな。
こうなると、私は話そのものを着地させる(帳尻を合わせる)ことに苦しむのですが、その反面勝手に動いてくれるので楽でもあります。

執筆中のエピソードや裏話などがありましたら、お聞かせください。

 今回、執筆中は遅筆に苦しんだことしか出てこないのですが、裏話としては――。
 最初に明神先生とのタッグで依頼をいただいたとき、当時の担当さんからのリクエストが「明神先生が描いたことのない感じのお話でヨロ♡」という、超ド級の無茶振りでしたwww
 思わず「それって四畳半一間で恋していいの!?」って聞きそうになりましたが、「そんなわけあるか!」としか返ってこないのはわかっていたので、すごく悩みました。
 私自身、明神先生のキラキラな世界観は絶対に壊したくなかったし、かといって先生が描いたことのないって――ええええ!? みたいな。(もう、この時点で、ふざけた設定しか浮かばなかった_| ̄|○)
 で、既刊を漁りに漁って、キラキラしつつも先生が手がけていない系統のお話ってことで、私の中では天下の宝刀的な「香山配膳」に辿り着いたのですが――。
 配膳人がホテル王に見初められる話が、まあどっちも仕事しまくりのサービス精神語りまくりで、明神先生から最初に担当さん経由でいただいた感想が、
「この二人、いつ恋するのかと思って心配しちゃいました~( *´艸`)ふふ」←こんなの初めての意味
というものでしたw
 ――ある意味、依頼リクエストは達成したのかも知れませんが、(そういうことじゃないだろう!!)と自身では、突っ込みまくりでした。

読者様にメッセージをお願いします。

 初めましての方も、いつもありがとうございますの方も、ここまで読んでくださって感謝でいっぱいです。
 おかげさまで、デビュー以来いくつかのシリーズを手がけさせていただいておりますが、香山配膳は私が実際大昔に現場へ出ていたころに、理想と現実を詰め込んで作り上げた事務所設定であり、サービスマンたちなので、今日まで書き続けていられることが本当に嬉しいです。
 バブル前から今日までに、宴会・結婚披露宴などの形も大分変わってきましたが、それでも私の中にあるサービスという概念は変わらずにいます。
 今はその気持ちを筆に込めて、いろんなキャラクターを通して読者様に喜んでいただけたら嬉しいな――と思い、書き続けております。
 これからもどうか、著書を手に取り、読んでいただけたら幸いです。
 よろしくお願いします!!

祝宴の夜に抱かれて

著:日向 唯稀
ill:明神 翼

笠倉出版社/CROSS NOVELS

発売日:2023年06月09日

STORY

今日まで一緒にいてくれてありがとう
明日からもずっと一緒にいてね

パーフェクトな二人の波瀾万丈な恋が、ついに明かされる!?
香山配膳シリーズ第10弾!

「啓の将来は香山配膳と俺がもらった」配膳のスペシャリスト集団・香山配膳の社長「花嫁より美しい配膳人」と呼ばれる晃と、彼を支える中津川啓は十年来の恋人同士。今ではすっかり落ち着いたカップルの二人だが、馴れ初めは知られていない。ある日、周囲からねだられついに明かされて…!? 雨の日の図書室での出逢い、秘密のキス、そして告白──。初恋同士の恋愛成就から、アダルティな恋まで楽しめる、香山配膳シリーズ第10弾!

お試し読み一部公開!

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特典情報

コミコミ特典SS小冊子

店舗共通SSペーパー

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※商品ページに記載がある特典はお付けします。

©️日向唯稀/明神 翼/笠倉出版社

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