『北の土地神と桃の嫁入り』発売記念 伊達きよ先生特設ページ

北の土地神と桃の嫁入り

インタビュー

新作『北の土地神と桃の嫁入り』は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか?

「北の土地神と桃の嫁入り」は桃の節句に思いついたお話です。桃の花を眺めながら「こんな可憐で小さくて円らな花が、男体の精霊の化身だったら……」と想像して生まれました。「男体で、ちょっと卑屈で自分に自身がなくて、でも真面目で可愛い精霊を包みこめるのは、……チャラいし軽いけど包容力に溢れた土地神様……!」と相手役も連想ゲームのように生まれて、お話が出来上がっていきました。最初は自身のSNSに毎年桃の節句にだけ小話を書いて投稿していたのですが、こうやって一冊の本となることになって……感無量です。

新作『北の土地神と桃の嫁入り』は、どんな物語でしょうか?

女体が多い花の精霊の中では珍しい男体(故にモテない)のモモが、どうしてもお嫁に行きたくて、土地神の中でも抜群に不人気な「北の土地神様」のもとへ嫁ぐお話です。冷酷で恐ろしい化け物のような神……と噂される北の土地神だったけれど、いざ対面した夫は冷酷とはほど遠い、チャラチャラとした見た目と言動の偉丈夫(趣味サーフィン)で……? という、結婚から始まるラブストーリーです。

主要なキャラクターの誕生秘話やキャラ設定への思い入れなどをお聞かせください。
(名前の由来なども、お聞かせいただけますと嬉しいです)

モモ:桃の花の精霊なのでモモと名付けられました。ほぼ女体、もしくは可愛らしい男体しかいない花の精霊の中でしっかり男の子っぽい見た目の、真面目で素朴な精霊です。「土地神様と結婚して、その地に自分の花を根付かせたい、咲かせたい」という夢があり、いろんな土地神に「嫁に貰ってください!」と頼み込んでは十戦十敗の確率で振られています。
キタ(北の土地神):北の土地を治める土地神なのでキタと名付けられました。一年の中で本当に短い期間しか夏を有していないのに、サーフィンが大好きで、サーフボードをしこたま所持しています。また新しい物好きで、よく人間界に下りては彼らの文化を取り入れたりもしています。最近の趣味はスマホで撮影した妻(モモ)の写真を可愛いアルバムにすることです。

メインキャラクターは、どんな二人(攻めと受け)ですか?

モモ:長年嫁に貰われず「俺なんて他の精霊に比べて可憐でもないし、男体だし、勝っているのは体力くらいだし」といじいじ指をつつくような、少し自分に自信がない花の精霊です。少しでも自分を小さく見せようと猫背になったり、なにかと遠慮がちだったり、すぐ困り眉になったりします。しかし、植物の精霊らしくしなやかな強さや優しさも持ち合わせた、素直な子です。
キタ:寒い地の土地神らしく、冷酷で化け物のような見た目で、孤独を愛し嫁を受け入れない……と思われている、実際は明るくハッピーな土地神です。モモのことが大好きで「キタさんって呼んで!」と駄々をこねたり、事あるごとにモモに愛を囁いたり引っ付いたり尽くしたりと、チャラい見た目ながら一途なところもあります。

苦労された点や楽しかった点はどんなところでしょうか?

ひとつ屋根の下での結婚生活で仲を深めていく、という物語の進行上どうしてもメイン二人以外の登場人物が少なく苦労しました。キタとモモ以外のメイン人物である雪虫(キタの御使い)は「ほわ」としか喋らないので、物語の前半はほぼ二人の会話で進んでいきます。

癒しのアイテムや気分転換の方法、またハマっていることなどがおありですか?

最近フレーバーティーやフレーバーコーヒーにはまってよく飲んでいます。一日に何杯も飲むので「これはもう大量買いした方がいいのでは」と思いつつ、ちょこちょこ買いを続けています。

作品を書かれる上で大切にされていることや心がけておられること、意識しておられることはありますか?

読んでいらっしゃる方がスムーズに場面を思い描けるように……と意識しながら書いております。実際に出来ているのかどうかは定かでないのですが、少しでも読書の邪魔にならないような描写ができていたらいいな、と常に試行錯誤しております。

読者様にメッセージをお願いします。

「北の土地神と桃の嫁入り」は数年前から「この二人の出会いから本当の意味で結ばれるまでを書きたい」と考えていた話になります。今回こうやって二人の話をお届けできる機会をいただけて、本当に嬉しくありがたい限りです。 控えめで猫背で緊張しいな桃の花の精霊モモと、愛情表現過多で妻一筋のサーフィン大好き土地神キタのでこぼこ夫婦物語、少しでも楽しんでいただけましたら幸いです。
最後までインタビューにお付き合いいただきありがとうございました。

北の土地神と桃の嫁入り

伊達きよ
ill.コウキ。

リブレ

発売日:2023年05月19日

書影

STORY

「んー……こんなふうにさ、
デートしたり、話したり、卵焼きの味を知ったりして
そうやって、ちょっとずつ夫婦になっていこうねぇ。俺たち」

花の精霊は土地神に嫁いで、その土地で花を咲かせてもらうのが幸せであり役目。
珍しい男体で嫁き遅れてしまった桃の花の精霊モモは、花も咲かない北の果ての土地神に嫁入りする。
冷酷で根暗と噂される夫の神キタは、実際には陽気で笑顔がまぶしくて、寒い国の神のくせにサーファーで、モモの丸ごとぜんぶ大好きで可愛いと言ってくれて…!
この幸せがずっと続いてほしい。でもモモの体に異変が…?

特典情報

コミコミ特典SSペーパー

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※特典はなくなり次第終了となります。
※商品ページに記載がある特典はお付けします。

©️伊達きよ/リブレ

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