『BLドラマCD こころ -わたしの恋-』発売記念インタビュー

帯入れ込みイメージ BLドラマCD こころ -わたしの恋-BLドラマCD こころ -わたしの恋-

インタビュー

… 篠月千歳 B… Brilliant Prin担当者

BLドラマCD「こころ-わたしの恋-」は、新構築シリーズ第2弾ということですが、この「新構築シリーズ」とはどういうものなのでしょうか。

B「新構築シリーズ」は、文学作品を現代設定かつ、ボーイズラブに翻案したドラマCDです。
第2弾までは、日本の近代文学を原作にしており、メインとなる女性を男性として描いています。
第1弾は谷崎潤一郎の『痴人の愛』です。

「こころ-わたしの恋-」は、どんな物語でしょうか?

B原作は、多くの方がご存知だと思われる『こころ』(夏目漱石:著)です。 エゴイズムを描いた作品と言われていますが、その大筋をなぞって、新たな作品に落とし込みました。 原作と大きく異なる点は、お嬢さん(静)を男性として描き、意思を持った一人の人間として動かしたことでしょうか。
本CDの「BL」とはどういう内容なのか? ――気になる方がいらっしゃると思います。 結論から先にお話ししますと、原作で夫婦だった「先生と静」の愛情を描いています。 肉体関係だけで言うと、ほぼ、この二人のみです。
原作では「静」をめぐる「先生」と「K」の三角関係があります。 CDでは、そこを中心に置きつつ、「私」が語り手として物語を伝えながらも、登場人物の一人として先生と絡んできます。
後に、「私」の感情は恋心とわかるのですが、そこは今回の主題ではなく、「先生」「静」「K」に起きた過去の物語が軸になっています。
『こころ』はBL的な印象を受ける方が多い作品ではないかと思います。それは、私、先生、Kの関係性を考えてだと思いますし、そういう感情も作品に表現しました。
ただ、「新構築シリーズ」のテーマは【原作の大筋をなぞって新たな作品に落とし込む】なので、先生と静の夫婦関係は崩すことなく、一つの物語として制作しました。

制作に入られる際、どのように構成や内容をお決めになりましたか?

まず大前提として、重厚な原作をCDにするにはどうしたらよいかが難題でした。 通常は見切りで書き始めてもどうにかなるのですが、それでは破綻しまうのが目に見えていたため、変に手が付けられず。 CDに収まるようにストーリーを凝縮することや、現代に置き換えて成立させること、何よりBL作品としてキャラクターを魅力的に肉付けすることを念頭に、原作の重要な要素を抽出してからプロットを組み立てました。
意外と難しかったのは、学生である私の設定です。 原作とは時代が違いますから、現代でも過不足なくシンプルに伝わるようにすることに、実は多くの工夫が必要でした。
CDを聴いて「実家のくだりは丸々削っただけか」と違和感なく感じられれば成功と思っています。

今回のサブタイトルは、どのようにお決めになりましたか?

Bサブタイトル「わたしの恋」。
これは、もちろん「私」を指してもいるのですが、先生、静、Kのそれぞれにも当てはまるようにと考えて決定しました。 「わたし」とあえて漢字表記をしなかったのも、そのせいです。サブタイトルの候補は他にもあったのですが、登場人物すべての感情や立場を感じられるといいなと思い、これに決まりました。

登場人物の設定を教えてください。

先生は、ベースは控えめで大人っぽい攻です。四十歳の彼は自分をつまらないと称していますが、若い頃は人付き合いこそ地味なものの、ごく普通の勉強家な大学生でした。そういう意味では、静馬が「私」と似ていると感じるのは当然かもしれません。
受の静馬は、先生の妻を男性に置き換えたキャラクターです。 原作では強い個性があるとは言えませんが、それでもやはり、うら若い女性がモテ期を楽しんでいる様子はありました。
BL化にあたり、ただ可愛いだけでなく未熟さや毒っぽさが出るように仕立てましたが、江口さんの演技が想像を凌駕しており、収録時に何度もゾクッとさせられました。
Kは先生との対比を大事にしています。どちらかというと無口なタイプなのに、好きな子の傍には、ちゃっかり堂々と居座るというか。好意が丸見えでも、そこはあまり気にしない。マイペースな野良猫ですね。
私は、物語上の主役ではありませんが、ストーリーテラーであり主人公です。先生への無自覚な恋や、静馬への複雑な葛藤を抱えつつ、でもあまり前に出過ぎないキャラクターにしました。個人的には、あまり静馬に深入りしすぎず、ぜひ素敵な恋人を見つけて幸せになってほしいです。

登場人物を描く上で、大切にされたことやこだわった部分はありますか?

B先にも少し述べましたが、原作では内面が描かれなかった「静」の在り方です。 原作にない部分なので、どう作っていくか――制作前の打ち合わせでは「パスみがほしいよね」と話し、腹黒のサイコパスキャラにしようとしていました……。

先生は優しく思慮深く、恋愛に関しては客観性が持てず、流されやすい方でもあります。 一方静馬は、自分の欲求には非常に素直でしたたかです。でも公平に見ると「よくいる小悪魔タイプ」とも言えます。
先生と静馬、そしてKとのやりとりがうまくいかないと、どうしても静馬が悪者のように聴こえてしまいそうなので、三角関係で惹かれ合う様子を丁寧に描くよう心掛けました。

聴きどころやお好きなシーンを教えてください。

クライマックスの先生や静馬の演技は言うまでもなく。個人的に気に入っているのは「恋は罪悪」のトラックです。私の心の機微を、短い中で表現することができました。また先生が、私を気にかける本音を漏らしているところも好きです。

B冒頭を聴くと「これが『こころ』……?」となるのですが、しばらく聴くとグワッと「『こころ』だ!!!」となります。導入部から本編に入っていく流れの部分は、とても上手く書いていただいたと思います。
好きなシーンは、先生と静の出会いのシーンで、トラック6の「出会いの日」に収録されています。 ハンモックに揺られている静に先生が声をかけるのですが、この重い物語の中では珍しく、明るくほのぼのとしたシーンです。
また、キャストの皆さんの演技も本当に素晴らしく、何度もシナリオを読み、赤入れをして内容を知っているはずなのに、ラストに静が感情をむき出しにする部分は、感情が昂りました。 ぜひ、聴いていただきたいシーンの一つです。

描きやすい、または思い通りにならないなど、キャラクターで違いはありましたか?

今作は本当にプロットまでに時間が掛かりましたが、キャラクターでは苦労しませんでした。ただ、どうしても私に方言を喋らせたいなと思っていたので、方言辞典とにらめっこが大変でした。最初、秋田弁で検索しまくってセリフを作りましたが、監修の都合も考慮して青森に変更し、また検索しまくることに……。
(Brilliant Prin補足:方言は現地の方にご協力いただき、音声サンプルを作成しました)

制作中のエピソードや裏話などはございますか?

前作の『痴人の愛』は、原作がそれほど長くないこともあり、足フェチやM要素など、BLらしさを詰め込む余裕がありました。今作は元からBL要素があると見られることの多い原作だったため、逆にとっかかりが見えず、どこをどうやったらまとまるのかがわからず。
ですが、キャラクターが動き始めてからは書くのが楽しく「これは書き終わったな!(書き終わってない)」とハイな状態に。
正直、書けずに逃亡するのではという危機感を覚えた作品は初めてのこと。書き上げられて、本当に安心しました。

B篠月さんもお話しされていますが、原作をなぞってBLにするのに何度も挫折しています。 実は『痴人の愛』よりも前から『こころ』は新構築シリーズの候補に挙がっていました。
ですが、原作が長すぎて、あまりにも内容がまとまらず……途中で「違う作品にしましょうか」と篠月さんと別の作品を検討したのを覚えています。 先日、デザインまわりの制作も終わりまして、無事にCDが発売できることに、今はほっとしています。

皆様にメッセージをお願いします。

BBLドラマCD「こころ-わたしの恋-」、めちゃくちゃエモいです! こう書いてしまうと、とても軽く見えてしまうのですが、文字や言葉では表現できない、重いけれど熱い作品となりました。
いいね!ボタンを泣きながら連打したい気持ち、が近いでしょうか。ぜひ、実際に聴いていただきたいです。 原作の『こころ』を知っている人も、知らない人も、楽しんでいただけると思います。
出演者の皆様による渾身の演技は必聴ですし、内容自体も自信を持っておすすめできるCDです。 新構築シリーズ、第1弾の「痴人の愛」と合わせてお楽しみいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

BLドラマCD こころ-わたしの恋-

シナリオ:篠月千歳/イラスト: 真嶋しま
原作: 夏目漱石

メインキャスト: 私…土岐隼一、先生…高橋英則、
静(静馬)…江口拓也、K(啓介)…濱野大輝

Brilliant Prin

発売日:2021年01月29日

BLドラマCD こころ -わたしの恋-

STORY

「恋は、愛とは違う。罪悪ですよ──」

学生の「私」は、鎌倉の海で年上の男性「先生」と出会う。
思慮深く優しく、しかし飄々としており、何を考えているかわからない先生。私は何か惹かれるものを感じ、先生と静馬のマンションを訪れるようになる。同性のパートナー同士、悩みも不自由もなく、幸福に暮らしている二人。少なくとも私の目には、二人がそう見えていた。

先生が、自殺してしまうまでは。

四十九日の法要を終え、私は静馬を海に誘った。先生からの遺書にあった、思い出の海へ──

『こころ』(夏目漱石・原作)をBLドラマCDに新構築!

文学作品を大胆かつ繊細にBLドラマCD化する第2弾
遺された手紙から明かされる先生の過去──。
青年三人の交錯する恋情とエゴイズムを描いた悲劇の物語。

サンプルボイス試聴

※こちらのサンプル音源の試聴はコミコミスタジオ限定です。

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特典情報

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