『花に嵐』発売記念 佐藤アキヒト先生インタビュー

昭和、激動の時代、揺るがぬ心。

『花に嵐』発売記念	佐藤アキヒト先生インタビュー

インタビュー

新作『花に嵐』は、学生運動が盛んな昭和の学生寮を舞台にした物語ですが、この時代の学生を主人公にされた理由やきっかけがありましたら、お聞かせください。

最初はレッドパージを同人誌で描こうと思っていたのですが、丁度drapさんからお声がけをいただき、考えていたものと同じ展開を学生運動にしてお話の候補の一つとして提出いたしました。

時代物とあってダメ元で提出したので、採用された時は本当に嬉しかったです。この時代を描かせていただき本当にありがとうございました。

タイトル『花に嵐』は、どのようにお決めになりましたか?
またタイトルに込めた思いがおありでしたらお聞かせください。

タイトルや話の展開、モノローグについては、漢詩の「勧酒」、またそれへ呼応した寺山修司の「幸福が遠すぎたら」の一節にインスピレーションを受けオマージュを込めています。
自分の描くものは抽象的になりがちなため、毎回なるべく分かりやすくするよう気を付けているのですが、今回はその様な道標があった為、無理やり具体的にせずとも読みやすい話作りや韻の踏み方ができたのではと思っています。

一話を描いている間、私はてっきり当時の下着がトランクスだと思い込んでいたのですが、後々父親に当時のパンツがハイウエストの白ブリーフだと聞き、神谷のパンツに貼ったトーンを単行本作業で剥がさないとな、と思っていたので無事直せてスッキリ爽快です。

主要な登場人物である神谷と北條。二人を描く上でのこだわりやキャラ設定への思い入れなどはございますか?

読切予定でしたので、キャラ設定を殆どしておりません。

北條はとにかく格好良く描かないとと思ったのですが難しかったので、とにかく格好良いオーラだけ出しておきました。オーラで読んでいただければ幸いです。むっつり助平オーラもついてますがお気になさらず...

佐藤アキヒト先生一押しシーンやこだわりの読みどころをご紹介お願いします。

何処から、とは言いませんが北條が「出て」くるところは一番の山場だと思います。また、重苦しい空気の中でやっとの思いで体を重ねるシチュエーションによってSEX描写が情熱味を帯びていると思いますので、普段より濃厚味を醸すエロスも是非、楽しんでいただければと思います。力の許すかぎりアナログ原稿での入稿をしたので、時代の空気感や熱を感じていただけるような画面になっていたら嬉しいです。

神谷と北條は、時代の熱に翻弄され悩み苦しみながら選択し、受け入れてしなやかに乗り越えていく強い二人だと感じました。佐藤アキヒト先生の中で、連載当初と回を重ねるうちにキャラクターやプロットに変化や発見がありましたか?

読切の予定が、結局1話に収まらず、最終的に一冊分描かせていただきました。
掲載を増やしていただいたおかげで一話分まるまるSEXを描けたり、一作品として足りない部分を補いつつも時代や心情を掘り下げることが出来て、クオリティの充実した作品に仕上がったと思います。また、5話目は巻頭カラーを描かせていただき、大変光栄でした。ありがとうございました。

この作品に限らず、自分は話の先を自らが知ってしまうとそれを描く意味がなくなってしまう為いつも行き当たりばったりな話の作り方をしているのですが、今回の「花に嵐」では、神谷と北條の二人が作者の思考を超えて表現してくれた部分がありつつも、それでも結局作り手の意識内に収まってしまうなとも感じたので、今回以降、更に作品を通して自分の思考をなるべく多く進ませることを意識することが必要だと気づかされました。

佐藤アキヒト先生にとって描き(動かし)やすい、または思い通りにならないなど、キャラクターに対する思いを教えてください。

キャラクターが多く出てくるのが自分の作品の特徴のひとつなのですが、キャラはすべて自分自身のようなものなので、誰々が好き、と言って頂けるのはとても嬉しいです。キャラ(人)がそれぞれ自分自身が主人公で且つ、関わり合って生きているということを蔑ろにしないように、脇役にも彼/彼女らの人生があるのだということを意識しています。

動かしやすいキャラは明るくノリの良いキャラや、性格的に傾倒したキャラです。また、どのキャラにも言葉には出さない自分自身だけが抱えているものがあるということを大切にしています。

作品を書かれる上で大切にされていることや心がけていることがありましたら、お聞かせください。

作品の中で自分に対して嘘をつかず、見栄を張らずに気持ちの純度を保ち誠実に描くことは、物事を制作する上で一番注意していることです。

執筆中のエピソードや裏話などはございますか?

京都の吉田寮に取材に行きました。この話の寮は吉田寮を参考にさせていただいています。
広里かな先生と一緒に見学したのですが、案内してくださった方にどんな漫画を書いているのかを訊かれ、上手く返せず、車の中で広里かな先生と何と答えたら正解なのかを暫く談議しました(笑)。
吉田寮は非常に素晴らしい建築で、学生運動時代の貼り紙の名残があったりととても参考になりました。

BLで萌えるシチュエーションやキャラクター設定を教えてください。

本当はキスもSEXもしないギリギリの関係で下ネタを言い合ったりしているのが一番萌えます。
下らない下ネタが好きで....どうにかならないものかと常々思っているのですがどうにもなりません。ちんちん!

癒しのアイテムや気分転換の方法などがおありですか?

読者さんが下さるお手紙が一番の癒しです。
本当にしんどくなってきたら湖や高原に行きます。

読者様にメッセージをお願いします。

いつも応援してくださってる方、常に力をくださって本当にありがとうございます。
また、初めまして、佐藤アキヒトと申します。新参者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
漫画が人生の助けとなる事があれば、この仕事に関わっている一人として、大変心強く思います。荒ぶる現実を生きる中で幸せでいられますように。人生に幸あれ!

作品紹介

花に嵐

秘められた情、剥きだしの欲
昭和、激動の時代、揺るがぬ心

STORY

花に嵐

学生運動渦巻く、激動の時代。そんな昭和の折に、一人葛藤する男──

神谷は、周りの喧騒とは別の問題を心に秘めていた。
それは、学友である北條に道ならぬ恋心を抱いているということ…。

そんなある日、北條のことを思い浮かべながら自慰に耽っているところを本人に目撃されてしまい──?

出版社様コメント

佐藤アキヒト先生の待望のdrap初コミックス「花に嵐」が、作品にぴったりの今春3月25日に発売です!
本作は、昭和時代の学生運動を主軸に、時代に翻弄された男たちの恋模様が繊細な心理描写やイラストにおいて瑞々しく表現されております。特に、主人公の神谷が北條を欲する様や、北條の神谷への強い想いなど、それぞれが秘めた感情が伝わり、読み進めるうちにどんどん物語に引き込まれること間違いなしです!! 胸に迫る珠玉の物語を是非お楽しみください。

特典情報

コミコミ特典佐藤アキヒト先生イラスト特製しおり

佐藤アキヒト先生イラスト特製しおり 商品ページはこちら

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※こちらの企画は出版社様の企画となります。
詳しくはコミックス巻末をご覧下さい。

©️佐藤アキヒト/コアマガジン drap

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