STORY
「僕のことは、エリックが殺してくださいね」
憎まれていると知りながらも、身を投げ出すことしか知らない一途な愛が胸を打つ。
復習の炎を燃やす義賊×孤独で無垢な竜の純愛ファンタジー!
「殺されるなら、あなたがいい―――」
竜族の最後の生き残りルートヴィヒは、いつか人間の伴侶を持ち、平和に生きることを夢見ながら、ガーネ山の洞窟で両親の残した宝石を糧に身を隠すように暮らしていた。
宝石の守り神であり、その体液はすべて宝石になる神秘の存在としてガーネリア国の信仰の対象だった竜族は、いつしかその神聖性を失い、大きな戦争を機に、厄介で滅ぶべき存在と思われるようになっていたからだ。
ところが絶対に人間に知られるはずがない神聖な竜の棲み処に、ある日見知らぬ男が現れる。
警戒心をもたないルートヴィヒは、人間と初めて出会えた喜びに舞い上がりもてなそうとするが、その男・エリックは対照的に、自分の家族を奪った竜族を憎んでいると言い放ち―――。
孤独で無垢な竜・ルートヴィヒの一途な恋の行方は!?
出版社様コメント
花丸レーベル初登場の葵居ゆゆ先生の本作は、切なく美しい恋物語を描いた書き下ろし長編ファンタジー!
体液が宝石となる神秘の存在として描かれる竜の存在が美しく、父が遺した宝石を食べながら孤独にひっそりと暮らす、竜族の最後の一人・ルートヴィヒに宿る、一途で無垢な魂に誰もが心を揺さぶられます。
そんなルートヴィヒを憎む義賊のエリックも、その心の奥底にはぬぐい切れない悲しみがある。
本作は、そんな二人が心を通わせるようになる過程をすみずみまで楽しんでいただけるボリュームとなっており、yoco先生の美しい挿画も作品世界に華を添えてくださっています。
四六判、2段組み、約280ページの恋物語、たっぷりとご堪能ください!