STORY
踊り子は王の手で開花する
βの踊り子・ジニアは、α王・アドリアーノに見初められる。たった3日間、短い逢瀬を繰り返すと次第に互いを求め始めるが―…。
新作文庫「閨飾り‐アルファ王は踊り子に恋慕する‐」はどのような作品でしょうか
今回の新作文庫は、西洋風ファンタジーのオメガバース作品となります。
βとして生きてきた主人公の踊り子が、花祭りの夜に出会ったα青年と惹かれ合い、相手が小国の王であることを知りながらも一夜限りと割り切ったつもりでからだを繋いだ結果、Ωに目覚めてしまう……というお話。
そこへ踊り子の幼馴染みや孤独な過去などが絡んできます。
花と海風と祭りの熱気が感じられる、多分に王道なロマンチック・ラブストーリーです。
【受:ジニア】
華やかな美貌の踊り子ですが、βということもあって、見た目に反して中身はしっかり男の子。自信家で腕っぷしが強く、仲間には心優しい。孤独な過去にトラウマがあり……。
【攻:アッド】
美丈夫な謎の青年。実は若きアルファ王。
アルファの情動に突き動かされることもあるけれど、基本的には理知的な紳士。愛した相手の考えを尊重する一途な情熱家。
タイトルにある「閨飾り」については、今回の作品用の独自設定です。ちょっとしたアクセントですが、詳しくは読んでいただければと思います。
出会って恋をして、少しせつなくて、でも、最後は絶対的ハッピーエンド。
すっきりとした読後感をお約束します。
10周年を迎えた感想を一言
これから先、もっともっと書き続けるためには、さてどうしましょう。
そんなことを考えながら、今年を迎えました。
そして、10年は長いのか、短いのか。
ただひたすら書いてきた年月を言えば、商業誌デビュー以前も合わせて、もっともっと長いので、本当のところは判断がつきません。
商業誌デビューのずっと前のことですが、有料メルマガをはじめたとき、同人誌の頒布をはじめたとき、お金をいただく以上は、きちんとプロの矜恃を持とうと考えました。
あのころは、セミプロと言うべき立ち位置だったのかも知れませんが、周囲からプロと認められるようになったいまでも私は相変わらずです。
いつも自分の作品には真摯でありたいし、自分にしか書けないものであることを信じています。
そして、それがとても幸せです。
商業誌で書き続けてきた10年をたいせつに思い起こしながら、また次の10年を積んでいきます。
ファンの皆様に向けてメッセージ
心優しい紅葉ファンのみなさん、こんにちは。
いつもありがとうございます。
このたび、書き下ろしの新作が発売となります。
私の大好きな「踊り子」です。
そして今回も、たおやかな美貌ながら、自分のことは自分で守れてしまえそうな強い受です。
だからこそ、本当のところはだれかに支えて欲しい、心さびしいひとりの青年の話。
もしかしたら、いつも頑張っている、あなたの話かもしれないなと私は思います。
毎日は平凡に見えて、実は厄介で、そしてやっぱりただの時間の流れです。
小説のようなドラマチックなことはそうそう起こりません。
と、みんな、考えているようですが……。人間が百人いれば百通りにドラマチックです。
あなたも間違いなく、そうです。
なので、明日の活力のため、踊り子と花祭りと、愛に生きたい攻を送ります。
ひとときの物語の旅を楽しんでください。
そしてまた、たおやかに、自分のことは自分で賄いながら日々を過ごしていきましょう。
最後になりましたが、今回も官能シーンは三回保証です。
それぞれ雰囲気の違う愛のやりとりが、日々の糧となりますように。
皆さんに褒めていただきながら、商業誌デビューから10年を過ごしてきました。
これからもどうぞよろしくお願いします。
閨飾り
―アルファ王は踊り子に恋慕する―
フロンティアワークス/ダリア文庫
発売日:2023年03月13日