はじめはキャラの名前で『鳴坂』を考えていたのですが
描く機会がないままだったのでBLデビューの時にお借りしました。
『リン』は音的に。はじめは全て漢字でペンネーム提出したんですが
「カタカナの方が良いのでは？」と当時の担当さんから提案頂き『鳴坂リン』になりました。

数年前に新作の１案として「獣人モノ」をオーダーされたことがあり
（当時ちょうど獣人やちょいファンタジーなどが流行り始めの頃だったと記憶しています。）
自分が獣人モノやファンタジーを描くならどういったものが描きたいか
突き詰めて考えたネタが『一途なうさぎの恋結び』の原型になっています。

当時はこの企画をまとめきれず、担当さんに提案もせず別の漫画を描くことに。
その後もこの企画をどうにか動かせないか時間を見つけては練り直し、同人で描くことを考えていました。

今回ありがたいことにDariaさんで執筆させて頂けることになり、
ひとりでは決めかねていた事を担当さんに相談させて頂き『一途なうさぎの恋結び』になりました。

基本的にはプロットが先です。そしてタイトルに苦しむ…。稀にタイトルが先に思いついた時は大歓喜です！

神様の遣いとして地上に降りたうさぎを祖先にもつ主人公・結以が
ある日突然、先祖返りし『神様のお嫁様』と呼ばれる存在になってしまうお話です。

その地に富と安寧をもたらすと言われているお嫁様は、一方で呪いや瘴気を受けやすく
そのため『守人』といわれる世話係兼護衛を任命しなければいけないのですが
結以はその『守人』に幼馴染みで片想いの相手・隼人を一方的に指名してしまいます。
幼いころ「ずっと一緒」を約束したのに、いつからか冷たい態度を取り結以を避けるようになった隼人。
そんな隼人とずっと一緒にいたいが故の暴挙。
もちろん隼人は激しく拒否しますが、一度指名された守人の任は死ぬまで解除されないようで。

運命共同体といわれるお嫁様と守人の関係性。
お嫁様とはいったい何なのか。

神様が手招きするその日まで、運命に導かれるふたりの恋物語です。

運命共同体といわれる『お嫁様』と『守人』の関係性と
幼馴染みふたりのこじらせた初恋の行方を楽しんで頂きたいです。

そして、攻・隼人の「犬なのか？」っていうくらいセルフ待てが出来る忠犬ぶりを
苦笑いしながら見て頂きたいです。とても我慢強い攻です。

主人公・望月結以の名前は　望月＝月＝うさぎっぽい
結以＝結ぶの意味(結)と区切りやこれっきり感のある漢字(以)で「一度結んだらこの人だけ」って雰囲気が
一途で頑固な結以っぽいなぁと思って決めました。

お互いがお互いを想うあまり上手くいかない感じ。
学生故の精神面の幼さとか潔癖さみたいなものも描きたいなと思って描きました。

攻の隼人は、結以の事が大切だからこそ離れたい、汚したくないと悩み
結以の前ではいつでも格好いい自分でいたい、「結以が俺の聖域」タイプの攻です。

一方、受の結以は、
一途で素直、そして一度言ったら曲げない頑固な子。
迷いはないので間違った方向に舵を切るととても厄介なタイプです。

メインCPのふたりは、ガイドというか
読者さんと同じ目線で「お嫁様」や「守人」のことを知っていってほしいなと思いながら描いていました。
何も知らない二人だったので。
３話目４話目とメインCP以外のお嫁様と守人が出てくるのですが、各々背景を考えながら描いているので
妄想膨らませながら見て頂けると楽しいかもしれません。

今回、後半部分が和装が多かったんですが描き慣れてないので大変でした。
同時に、和装は華やかに見えるので仕上がりが近づくにつれて作画が楽しくもありました。
もっと上手に描けるようになりたいです！

タイトルが『恋結び』に決まった時から
組紐を象徴的に使っていきたいと考えていたので、
和装のシーンや重要なシーンでは意識的に組紐を描いてます。

お気に入りのシーンでいうと、１話目の結以が夢の中で花嫁と出会うシーンでしょうか。
今回のお話を企画した時から描きたかったシーンなので描けて良かったです。

丁度今作を執筆するタイミングで執筆量を例年の倍にしてみました。
絵柄や描き込み量がおかしくなってないといいなと思いつつ。
ここ数年ガクっと体力の低下を感じて、描ける体力がある内になるべく描いておきたいと思うようになりました。

最近かわいいぬいぐるみを見るとときめいてしまいます。
ついこの間、なかなかの大きさのきつねとたぬきをお持ち帰りしました…癒やし。

主従とか、高嶺の花とか。格差ものが好きな様です。
下剋上も好き。攻は溺愛かつ野獣であればあるほど良きです。

キャラクターがどういう環境で育ち、どういう考えを持った人なのかは大切に考えています。

いつか吸血鬼モノ描いてみたい気持ちはあります。
それか階級社会で複数CP出てくる話とか。総じて長くなりそうなので企画書の段階で提出を躊躇ってしまうネタですね。

今回の新作『一途なうさぎの恋結び』は
神様の遣いとしてこの地に降りたうさぎを祖先に持つ主人公が
ある日先祖返りをし「神様のお嫁様」と呼ばれる存在になり
運命共同体となる「守人」と共に幸せを掴むお話です。

お互いがお互いを想い合うが故のすれ違いやつらい展開もありますが
不器用にも大切に想い合うふたりの恋を最後まで見届けてあげてください。
描き下ろしもカバー裏までたっぷり描いたので
雑誌で連載を追ってくださった方にも是非読んで頂けると幸いです。

そしてこれからも楽しんで頂けるような漫画をたくさん描いていきたいと思っておりますので、
鳴坂のことも応援頂けると嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございました！『一途なうさぎの恋結び』是非よろしくお願い致します。